小説『僕の観察日記』
作者:NY()

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ーー第5章 辛い過去

彰「やらしい事って何だよ?」
 黙り続ける葉月、動揺し続ける僕
葉月「・・・抱擁したり、接吻したり・・・つまり性的なものじゃ・・・」
彰「へ?」
葉月「今のうちに言えば二分の二十一殺しで許してやろう」
彰「10回死んで半殺しじゃないか・・・!しかも本当にしてない!」
葉月「では何故じゃ!」
 ふと葉月と会った時を思い出した
彰「・・・何であそこで倒れていたんだ?」
葉月「あそこ?」
彰「葉月が倒れていたところだよ」
 葉月は刀をしまった
葉月「・・・思い出した・・・」
彰「・・・どうしたんだ?」
葉月「あの時・・・いや随分前に狩人に撃たれたのじゃ・・・」
 僕は黙って葉月の話を聞いた・・・
葉月「その時、死んでしまったのじゃ。死んだ後何故かこの近くの森にいた・・・その時妖狐になっていたのじゃ、
それからというもの食べる物もなく居場所もない、森の中は何度も狩人を見かけた!そして今にあたるわけじゃ
・・・その間に魔力が減っていたのじゃろ・・・」
 ふと僕は葉月を抱きしめた
彰「辛かったよな・・・でももう良いんだ・・・ここがお前の『居場所』だ・・・」
 葉月は大粒の涙を流して泣いた

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