小説『IS インフィニット・ストラトス 〜銀の姫と白き騎士〜』
作者:黒翼()

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第五十七話『襲撃報告と約束』



Side〜ウリア〜

「襲撃、ですか……。 ナターシャさんは無事なんですか?」

お父様が電話を寄越してきたので、何かと思ったら襲撃があったようです。
場所は北アメリカ大陸北西部、第六十国防戦略拠点。 通称『地図にない基地(イレイズド)』。
そこにはナターシャさんの専用機で、今は封印されている『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』があり、襲撃者たる亡国機業はそれの強奪が目的だったのでしょう。

『彼女なら無事とは言えないが生きている。 骨折複数に骨にひびが入っているが、命に別状は無いよ』

「そうですか……。 それなら良かったです」

ナターシャさんは基本いい人ですからね。
死んでしまうのは心苦しいですし、悲しいです。
生きているのなら安心しました。

『ウリアたちも狙われる可能性が高い。 十分気をつけてくれ』

「はい、わかりました」

今回は守り抜いたみたいですが、襲撃のたびに守り通せるとは限りません。
私もいつどこで襲撃があってもいいように、いつも以上に警戒をしましょう。
こういうときはハサンたちの役目ですね。

『では、私はこれで失礼するよ。 じゃあね、ウリア』

「はい、お父様」

通話を切ると、私はハサンへと語りかけます。

(ハサン)

<警戒の強化ですね?>

聞いていましたか。
それなら話が早いですね。

(ええ。 IS学園全域にハサンを分散させてください。 不審者がいたらすぐに連絡を。 これからは今まで以上に狙われるでしょうからね)

<仰せのままに>

ハサンの気配が増えるのを感じます。
ついに宝具による分離を最大数まで上げたようです。
よって、総勢八十人のハサンがこのIS学園に解き放たれました。
これで警備は大丈夫でしょう。
ハサンはアサシンクラスの英霊なので、暗殺もさせることができますからね。
不審者が行動を起こす前に排除できます。

「とりあえず、一夏にも伝えておきましょう」

一番狙われる可能性があるのは一夏ですからね。
いくら一夏が僅かですけど魔術を覚え、戦闘経験を積んだと言えど、敗北することは誰でもありますからね。
私も負けることはありえますからね。




 ☆




「ああ、わかった。 気をつけるよ」

「いくらアレイスターがいるとはいえ、油断はしないでくださいね。 ありえないでしょうが、もしもアレイスターが裏切ったら一番危険なのは一夏なんですから」

私は一夏に先ほどのことを伝えていました。
アレイスターは大丈夫でしょうけど、警戒するに越したことはありませんからね。

『失礼だな。 私はそんなことはしない』

あ、アレイスターが反応してきました。

『あくまで例えですって。 アレイスターがそんなことをするわけは無いと信じていますから。 不快な例えをしてしまってごめんなさいね』

『不快には慣れている。 だがまあ、不安ならば令呪を使って命令すればいい』

『そんなことしねえよ。 それに、もしするならずっと前にしてるからな』

一夏は一度も令呪を使っていません。
それほどにアレイスターを信頼しているのでしょう。

「っと、そういえばウリア。 話は変わるが、週末暇か?」

「本当に変わりましたね。 週末は暇ですけど、どうしたんですか?」

話の方向性が真逆になりましたね。
暗い?話が一気に日常の話に変わりましたよ。

「久しぶりにデートでもしないか? と言っても、学園祭でもデートしたんだけどな」

まあ確かに、学園祭でデートはしましたよね。
でも、

「デートならいつでも構いませんよ」

私は一夏と一緒にいれるなら、重要な用が無い限りはそれに応じます。
それに、デートはいいですからね。

「じゃあ、週末に駅前のモニュメントに十時に集合でいいか?」

「はい。 それくらいでいいと思います」

やっぱりデートと言ったら待ち合わせですよね。
私たちは基本待ち合わせてからデートをすることにしてますからね。
まあ、デートの度に私がナンパされて、一夏がそれらをぶっ飛ばしてますけどね。
今回も同じことになるでしょうか?
……なりそうな気がしますね。


Side〜ウリア〜out



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