小説『IS インフィニット・ストラトス 〜銀の姫と白き騎士〜』
作者:黒翼()

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第七話『クラス代表決定』



Side〜ウリア〜

オルコットさん、一夏との試合のあった次の日のSHR。

「では、一年一組代表は織斑一夏君に決定です。 あ、一繋がりでいい感じですね!」

山田先生は嬉々としてしゃべっていますが、一夏だけは暗かった。
そう言えば、一夏は代表になるのに反対していましたね。

「先生、質問です」

「はい、織斑君」

「俺は昨日の試合、ウリアに完膚なきまでに負けたんですが、なぜクラス代表になっているんでしょうか?」

「それは―――」

山田先生の言葉を遮って、私が説明します。

「私はオルコットさんと戦いはしましたが、私は誰からの推薦もありませんでしたし、私も立候補はしてないので、クラス代表にはなれないんです」

「しかも、アインツベルンは学園最強だ。 そんな奴がクラス代表になってみろ、他のクラスのやる気が起こる分けなかろう。 だから、アインツベルンがクラス代表になることは認めん」

千冬さんが補足説明をしてくれました。

「そういうことらしいです。 で、私は全ての試合で勝っているので、私が決めさせてもらいました」

「何で俺にしたんだよ!? オルコットだっていただろうが!」

「他国をああも簡単に侮辱するような人が、クラス代表に相応しいはずないじゃないですか。 それに、クラス代表になれば、ISを人よりも使えるので、一夏にさせてもらいました」

一夏は他よりもスタートが遅い分、少しでも経験が積めたほうがいいんです。
人は本来飛べませんから、飛行することが、IS操縦の一番のネックになるんです。

「あ、あのっ!」

声をしたほうに向くと、オルコットさんが立ち上がっていた。

「この度は織斑一夏さんや日本のことを侮辱してしまい、申し訳ありませんでした!」

頭を下げて謝ってきました。

「知りもしないのに、男だからという理由で侮辱してしまい、申し訳ありませんでした!」

「いや、俺はあんまり気にしてないから。 だから頭上げてくれないか?」

「そうです。 あの時は私も言い過ぎました。 これから改めてくれればそれで構いません」

一夏のことを侮辱されたからと言って、ちょっとやり過ぎてしまいましたし。
ですが、後悔はしませんよ。

「しかし! それではわたくしの気が済みませんわ!」

「では、一夏と模擬戦をしてください。 私のISは中・遠距離と言うものが少ないですから」

全くないわけではないんですが、多くが近距離戦闘ですからね。
銃などの射撃武器はあまりありません。
弓ならあるんですが……。

「一夏も、それでいいですよね?」

「ウリアがいいのなら、俺も構わないぞ」

「……わかりましたわ。 その役目、務めさせていただきます」

これで一件落着ですね。

「クラス代表は織斑一夏。 依存はないな」

はーい、と一夏を除くクラスメイトが返事をした。
一夏、私も手伝いますからそんなに落ち込まないでください。




 ☆




そして日曜日。
私と千冬さんの試合の日になりました。
ちなみに、ここに一夏はいません。

「来たか、ウリア」

「はい。 一夏との交際、認めさせてみせます」

「ここでの試合を見る者はいない。 私も全力が出せる」

「それは私も同じことです。 『サーヴァント』の真価を見せてあげます」

今回は英霊たちの力を存分に使うつもりです。
真名開放を使うために、入念にチェックもしましたし。
千冬さんが相手ならば、真名解放を使わなければきついでしょう。

「束に頼んでおいて正解だったな」

「束さんですか?」

「あいつを知っているのか」

「はい。 何度か家のほうに来てますし、それにちょくちょく来てますから」

「私を呼んだ〜?」

なぜかここにいる束さん。
それより、相変わらずの変な格好ですね。
機械的なウサミミをつけた、一人不思議な国のアリス的な服装です。
それにしても、本当に

「「なんでここにいる(んですか)?」」

千冬さんも疑問に思っていたようです。

「酷いっ! 折角最終チェックしに来たのに!」

「そうか。 では、早く頼むぞ」

「任せなさいっ! この束さんに掛かればちょちょいのちょいだ!」

千冬さんが渡した待機状態のISのコンソールを開き、高速でチェックをし始める束さん。
相変わらずふざけているのに頭はいいですね。
一週回って馬鹿でもありますが。
馬鹿と天才は紙一重って言いますが、束さんはそのいい例です。

「ねえウーちゃん。 今酷いこと考えなかった?」

なんでわかるんでしょうか?
エスパーですか?

「……気のせいです」

「今の間は何!?」

「相変わらず滅茶苦茶な人だと改めて実感しただけです」

「それって褒めてるの? それとも貶してるの?」

「両方です」

「酷いっ!」

そんな会話をしながらも作業のペースは変わらない。
本当に頭はいいですね。
流石自称天才。

「お、ウリア。 いないと思ったらこんなところにいたのか」

「い、一夏!? どうしてここに!?」

このアリーナは立ち入りを禁止にしてあるはずなんですが……。

「白式がここだって教えてくれた」

答えになっていません。

「おっ! 久しいね〜、いっくん!」

「束さん!? なんでここに!?」

一夏が驚くのも無理はありませんね。
だってこの人、大絶賛指名手配中の人ですからね。
悪いことをしたわけじゃありませんよ?
ただ、ISの生みの親である束さんが欲しいから、指名手配にしているだけですよ?

「ちーちゃんに呼ばれたからだよー。 ウーちゃんと戦うからって」

私も千冬さんも、一夏には黙っていたんですけどね。
束さんの所為でばらされちゃいました。


Side〜ウリア〜out



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