小説『IS インフィニット・ストラトス 〜銀の姫と白き騎士〜』
作者:黒翼()

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第八十二話『二回戦決着』



Side〜ラウラ〜

どうやら、シャルロットも一気に攻めに転じたようだ。

「余所見してんじゃないわよ!」

「む、それは悪かったな」

私はAICを発動していても、多少なら気を逸らせることが出来るので、余所見する余裕があるのだ。
鈴は私のAICに捕まっており、奴の衝撃砲≪龍砲≫とは相性がいいので、余所見しても、捕らえ続けれる限りは、身の危険は無いのだ。
ついつい見てしまったのだが、これでは駄目だな。
試合中に余所見など、お姉様、お兄様に怒られてしまう。

「では、終わらせるとしよう」

「くっ……!」

私は、レール砲を捕らわれの鈴に向ける。
装填されている弾丸は、対ISアーマー用特殊徹甲弾。
当たり所が悪ければ、一撃で決着をつけるほどの代物だ。
だが、当たらなければ意味が無いので、ここまで温存していたのだ。
鈴はAICに捕まって動けず、パートナーのセシリアは、私のパートナーのシャルロットに足止めをされている。
故に、これを防ぐ術はない。

ドンッ!

レール砲から放たれた砲弾は、鈴に直撃し、吹き飛ばされた。

『凰鈴音、シールドエネルギーエンプティーにより、リタイア』

鈴は、それでエネルギーが尽きたようで、残りはセシリアのみとなった。


Side〜ラウラ〜out


Side〜シャルロット〜

『凰鈴音、シールドエネルギーエンプティーにより、リタイア』

流石はラウラ。
もう鈴を倒しちゃった。

「鈴さんはやられてしまいましたか……!」

「別のことを考えている余裕があるの?」

僕は銃弾の温存なんて考えずに、ただ目の前の敵を倒すことに集中している。
だから、今の僕の攻撃は、相当厄介なはず。
現に、セシリアは防戦一方だからね。

「くっ!」

接近戦をしていた状況で、両手の武器を六二口径連装ショットガン≪レイン・オブ・サタディ≫に切り替え、至近距離からの連射を浴びせる。
僕はウリアさんほどじゃないけど、色々とやっているからね。
攻撃のバリエーションは多い。
それ全てに即座に対処するなんて、代表候補生には難しいこと。
いくら強くなっているセシリアといえど、僕の『高速切替(ラピッド・スイッチ)』を完全に攻略することは出来ない。

「これで、終わりだよ!」

グレネードをばら撒き、六一口径アサルトカノン≪ガルム≫の爆破(バースト)弾で一斉に爆破させた。

『セシリア・オルコット、シールドエネルギーエンプティーにより、リタイア。 よって、ラウラ・ボーデヴィッヒ&シャルロット・デュノアペアの勝利!』

アナウンスが流れ、会場が沸いた。
これで、僕たちの決勝進出は決定した。
後は、一夏たちが勝ち上がってくるのを待つだけ。
一夏なら、大丈夫だよね。


Side〜シャルロット〜out


Side〜ウリア〜

ラウラとシャルロットが勝ちましたか。
まあ、予想通りですね。
今の一年生専用機持ちの勝率ランキングは、
一位が私。
二位が一夏。
三位がラウラ。
四位がシャルロット。
五位が鈴とセシリア。
最下位が箒です。
箒は、圧倒的に経験が足りません。
紅椿の機体スペックは、私のサーヴァントに次いでの二位ですが、箒自身は剣道が強いだけの素人。
経験の差は早々埋めれません。
鈴とセシリアはほぼ互角。
ラウラとシャルロットにはそこまで差は無く、若干ラウラが勝っている感じです。
ですから、ラウラとシャルロットが組んだ以上、セシリアと鈴が勝てる確率は、低いんです。

にしても、試合中に油断なんて、駄目ですね。
いくらAICで動きを拘束できているからって、気を逸らしすぎです。
まあ、ラウラの成長が見れたことですし、今回は見逃しましょう。
さて、次は一夏と簪ですね。
楯無に勝てたんですし、きっと大丈夫でしょう。
ただ不安なのは、簪とのコンビネーションです。
一夏単体ならば、学園トップクラスです。
ですが、これはタッグマッチ。
コンビネーションが重要になってきます。
しかも、相手は二年生と三年生コンビ。
単純なコンビネーションなら、おそらく学園トップレベルでしょう。
これは、一夏にとってもいい経験になるでしょうね。
どんな試合になるか、とても楽しみです。


Side〜ウリア〜out



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