小説『IS インフィニット・ストラトス 〜銀の姫と白き騎士〜』
作者:黒翼()

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更新が遅れてすみませんでした。
学園祭の準備があって、執筆する時間がほとんどありませんでした。
学園祭も終わったので、これで更新が再開できる……かと思いきや、テストがあるのでまた途切れそうです……。
すみません……。



第八十七話『タッグマッチ優勝の行方』



Side〜ラウラ〜

「くっ!」

「まだ終わらねえよな!」

私は、左目の『越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)』を使って、過去最高の集中力を持って、私の持てる全ての力で、何とか抵抗している。
私の過去最高のコンディションの全力でありながら、圧されている。
しかも、耐えるので精一杯だ。
だが、ここで終わるつもりはない。
お兄様はまだ、あの超速の居合を使っていない。
私は、最低でもあの居合を使わせることを目標に戦っているのだ。
だから、ここで負けるわけにはいかん!

「レール砲をパージした!?」

レール砲を捨て、私は機体を軽くした。
元々、私のシュヴァルツェア・レーゲンは専用機持ちたちの機体の中でも重く、機動力も劣っている。
だがその分、ほかの機体よりも硬い。
だが、お兄様を前に、シュヴァルツェア・レーゲンの防御程度、意味はない。
遅く、意味のない硬さなら、少しでも速くしたほうがいい。
だから、攻撃のバリエーションの一つであるレール砲を捨て、機体を軽くするのだ。
攻撃のバリエーションを減らすのは痛いが、少しでも速いほうが、お兄様を相手にするのなら有効だ。
そう判断したからこそ、私はレール砲を捨てたのだ。

「……速度を上げてきたか」

レール砲を捨てたことによる速度上昇に、お兄様はどこか嬉しそうでした。

「レール砲がなくなったことで機体重量が軽くなったことと、空気抵抗が少なくなったからだです」

「だろうな。 だが、ここまで速くなるとは思わなかったぜ!」

レール砲がなくなったことにより、小回りが利くようになったことも、要因の一つだろう。

「行きます!」

私は、戦闘がもうすぐ終わることを直感しながら、お兄様に向けて挑んだ。


Side〜ラウラ〜out


Side〜一夏〜

レール砲を捨てたことで、ラウラの速度が上がって、俺の動きにさっきよりも対応できるようになっていた。
だが、それでもそこまでだ。
所詮はその程度の変化、俺が対応できないわけがない。
これ以上の速度なら、ウリアやもう一人の俺との戦闘で、何度も経験している。
だが、俺はそんなラウラを相手に、喚起している。
ラウラがここまで俺に追いすがれるとは、想像以上だった。
それに、ラウラは雪片の攻撃が当たりやすい近接戦をしてきている。
本来なら、遠距離からの砲撃で、俺の雪片による零落白夜から逃げるのがセオリーだ。
だが、ラウラはそれを捨てた。
砲撃を捨て、速度を優先して、俺のもっとも得意な近接戦で挑んできた。
それが、堪らなく嬉しい。

「惜しいが、もう終わらせよう」

だが、これ以上はラウラが持たないだろう。
ラウラの集中は今までにないほどに引き上げられているが、シュヴァルツェア・レーゲンのエネルギー残量は着々と減少していき、あと少しで尽きるだろう。
だから、互いに最高の状態で終わらせる。

「くっ!」

俺はラウラの横腹を蹴り、ラウラを吹き飛ばす。
そして、その飛ばした先には―――

「わっ!」

―――簪さんとの戦闘に集中していたシャルロットがいる。

「簪!」

「うん……! 行って、≪山嵐≫……!」

直後、四十八発全てのミサイルが一斉に発射された。
なぜ簪さんが≪山嵐≫を使う準備が出来ていたかというと、俺がラウラとの戦闘の最中、少しずつだがシャルロットの背後になるように移動していたからだ。
簪の視線はシャルロットだが、その先に俺がいれば、俺がラウラを蹴り飛ばす直前にアイコンタクトを入れれば、おのずと何を求めているか、理解できるだろうと、そう俺は信じていたからだ。
そして、簪さんは俺の信頼に見事に応えてくれた。

「終わりだ」

俺は雪片を腰に持ってくる。
この動作で、俺が何をしようとするのか、ラウラとシャルロットならば即座に理解するだろう。
そう、今までの試合全てで止めを刺している超速斬撃を放つのだ。

前方は簪さんの四十八のミサイル群。

後方は超速斬撃の居合をしようとする俺。

二人に、逃げ場はない。
先ほどのあの状況は、このポジションを取るための布石でもあったのだ。

シャルロットとラウラは左右に開き、シャルロットは両手の銃でミサイルを撃ち落そうとしているが、自立稼動するミサイルはなかなか落ちず、ラウラはレール砲を捨てたことがここで裏目に出て、ワイヤーブレードで何とか直撃を避けている。
ミサイル群の対処に手一杯な二人は、格好の餌食だ。

「居合・瞬閃」

最初にシャルロットを斬った後、即停止してラウラへと方向転換。
ラウラも斬って、俺たちの勝ちとなった。

『シャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒ、共にシールドエネルギーエンプティーによりリタイア。 よって、タッグマッチ優勝は、織斑一夏&更識簪ペア!』

アリーナが、大歓声に包まれた。


Side〜一夏〜out



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