第九十一話『パーティー終了』
Side〜ウリア〜
『『『お疲れ様でした〜!』』』
食堂に、パーティー参加者の大半の声が響き渡りました。
「お疲れさん、ウリア」
「皆さんは手伝わなくてもよかったのに……」
今はパーティーが終わり、後片付けも終わったところです。
片付けも私とリグレッターたちとでやろうと思っていたんですが、なぜか皆さんが手伝ってくれました。
今回は私主催なんですから、私で始末をつけるつもりでいたんですが……。
「だって、あんなに凄い料理を用意してくれたんだし!」
「いつもアインツベルンさんに助けられてばっかりだし!」
「初めて行事が無事終わったのに、アインツベルンさんだけが大変なことをしてるんだもの!」
『『『あっ! そっか!』』』
『『えっ! 気づいてなかったの!?』』
どうやら、今回の行事が初めて無事に終わったことに気づいていない人は、かなり多かったみたいです。
この場にいる女子生徒の七割以上が気づいていなかったみたいで、気づいていた人たちに総ツッコミされていました。
「でも、それなら余計にだよ!」
「皆で楽しく祝うべき場所で、アインツベルンさんだけが片付けなんて、させてられないよ!」
「こういうときは、皆でやるべきだよ!」
ここにいる皆さんは、同じ思いを持っているみたいでした。
「ま、そういうことだ。 俺だって、ウリアだけに後片付けを任せるほど、人が出来てない」
一夏……。
「そうだよ。 いつも僕たちのためにいろいろやってくれているウリアさんに、少しでもお返ししたいんだよ」
シャルロット……。
「お姉様には、皆助けられています。 ですから、お姉様のために、何かしたいのです」
ラウラ……。
「私、機体を完成させてもらったのに、何も恩返しできてない……。 だから、少しずつでも、恩返しがしたい……」
簪……。
「私も、ご迷惑ばかり掛けましたので、少しずつでもお詫びをしたいんです」
楯無……。
「ウリアにばっか、いい格好させるわけにはいかないでしょ。 アンタには、途轍もない恩があるんだし、現在進行形で増え続けてる。 あたし、恩を受け続けるのは性に合わないの。 だから、恩返しさせなさい。 まあ、こんなことで恩が返せるなんて思ってないんだけどね」
鈴……。
「わたくしだって、ウリアさんにたくさんの恩がありますわ。 それに、ウリアさんは大抵のことを一人でこなしてしまいます。 ですから、こんな機会でないと、恩返しもできませんわ。 たまにはわたくしたちを頼ってください」
セシリア……。
「ISに素人同然の私を、ここまで強くしてくれたのは、他でもないお前だ。 今はまだ、機体性能に頼ってばかりだが、それでも以前よりも機体を生かせるようになった。 そうなったのは、お前がいたからだ。 少しぐらい、何かさせてくれ」
箒……。
「まあ、なんつーか……何だかんだで楽しかったしな。 楽しんで、後は任せたって訳にもいかねえだろ。 これでも、一応は先輩だしな。 後輩ばかりに任せてちゃあ、格好がつかねえだろ」
ダリル先輩……。
「そッスよ。 後輩が頑張ってるのに、先輩がしないっていうのはどうかと思うッスし、姫さんには助けられてばっかッス。 先輩としても、それはまずいと思うッスし、片づけくらいやらないと」
フォルテ先輩……。
「みんな、アインツベルンさんに感謝してるんだよ!」
「だから、これくらいしたかったんだ!」
「いつもありがとう! アインツベルンさん!」
皆さん……。
「先生への報告は、私たちでするから!」
「アインツベルンさんは、織斑君とイチャイチャしてて!」
「い、イチャイチャって……」
「いつもしてるんだから、何も問題ないよね!」
四六時中一夏とイチャイチャしているわけではないんですが……。
<ですが、ほとんどの時間を共に過ごしているのは間違いありません>
<それに、その時間の大半が、堂々とイチャついているからな。 しかもそれが無自覚とはな>
<嫉妬する女子はいっぱいいるはずよ?>
英霊たちにもツッコミを受けました。
どうやら私は、思った以上にイチャついていたみたいです。
「皆の好意、受け取ってやれよ」
「そう、ですね。 では、お言葉に甘えて、報告はお任せしますね」
たまには、皆さんの好意に甘えてみるのも、悪くないかもしれませんね。
「じゃ、行こうぜ」
「はい」
私は、一夏と共に、食堂を後にしました。
部屋についてからは、一夏に甘えていたということを報告します。
Side〜ウリア〜out