小説『Zwischen』
作者:銀虎()

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(壊・慣壊日常)
カラオケの狭い部屋の中で、6人は思い思いの歌を歌う。歌唱力はみんな、高いほうに位置するだろう。壱がブルーハーツを縋る様に叫ぶ様に歌う。利家が、壱のコーラスになったり、Bzを熱唱。楓は、スコーピオンズをドイツ語でスラスラとガラガラと歌い上げ、天は暦に半強制的にデュエットさせられて、命は、高く澄んだ声で歌いあげる。
あっという間に四時間が過ぎていき。カラオケを後にする。熱唱のおかげであったのか利家は着ていた長袖のジャケットが暑そうだ。命が、本屋に寄りたいと言ったので、一行は隣にある楓と天はいたショッピングモールに立ち寄ると暦は、七回転半巻きのソフトクリームを出際に買っていた。そうして、壱と命は手を繋ぎそれに便乗して暦まで利家と手を繋ぎそれを尻目に楓と天は横に並ぶだけだった。そんな二人組が、三組の一番後ろで暦が楽しそうに利家に話しかけてそれを利家は優しげに返す。すると
ペタャ
暦が手にしていたソフトクリームが横を歩いていた人の脇腹についてしまった。頭髪は金色、B系服でムカデの銀細工の入ったハーフフィンガーグローブ、を筆頭にした七人程度の集団その多分一番下っ端であろう優男にあたった。
「ゴメンッッ」
暦は、利家から手を離し咄嗟的に振り向いて謝った、そして、利家の後を追おうと反転する
「アッッ!クソガキ。これたけぇんだぞ。」
と相手は獰猛な声を挙げる
「ごめんなさい、」
暦は、怖がって立ち止った。
「謝って済めばポリ公いらねぇんだよ。」
余程イライラしていたのだろう。その不良は完全にキレていた。そして、いやらしい目で暦の足先から、頭を舐めるように見てきた。
「金なんて払えねぇだろから、体で…」
「暦、どうした?」
利家が帰ってきた。
「なんだよ。てめぇ、」
デカイさにビビっているのか?音量が上がり口調はきつくなる。
「友人以上の関係ぢゃ。」
噛んだ利家を見て完全に優位に立った気になった不良。
「お前地元か?ならこの手袋の意味わかるよな?」
そう言って不良は、手袋をはめた手を掲げて見せた。
「知ってるぜ。百足衆だろ?」
利家は、なんてこととの内容に行った。

後方20mほど後ろで、残りの四人が、
「ムダデシュウ?」
命が壱に質問した
「かの昔、武田信玄公が率いた決して後退しない最強軍団の名前じゃその軍団に感銘を受け名つけられたここらが拠点の東海筆頭暴走族の名前。」
「トウカイヒットウ?」
命が再び首をかしげる。
「静岡、三重、愛知、岐阜に四件で一番力を持っているってことになりんす。まぁ、山梨と長野も傘下の入っているらしいのじゃが…」
「構成員は、体のどこかに百足のアクセサリーやマークや入れ墨が入ってる。」
壱が答えて楓が付け足した。
「そんな大きいギャングの人たち相手に一人で良いんですか。壱さん助けに行くべきでは。」
その一言に
「その必要は皆無だよ。あと、ギャングじゃないよ。フランスで言うカラーギャング的な方」
天が興味なさげに行った。
「自衛官だからですか?」
「ちがうよ。やつの自衛官になった訳に百足衆は深い関係があるけど、もと自衛官だからじゃない。」
「見ていればわかる。」
天と楓がそう言った。

「百足衆に、目ぇつけられて無事でいられると思ってんのか?」
「思ってにゃいよ」
利家は、そう迷いなく言った。
先に行っていた、不良の仲間六人が、このやり取りに気づいて駆け戻り出した。
「だったr・・」
下っ端不良が言葉をつづけようとした瞬間、駆け戻って気不良たちの一番格上だろう男によって頭を地面にたたきつけた

「なんで?」
命は、壱と楓と天に訪ねた
「じき、わかる。」

「すいません、伊達さん。」
不良一同が突然土下座をし始めた。
「何で、ですか加藤さん。」
叩き伏せられた不良が言った。口が切れたのか血まみれの口で言った。利家がやれやれといった様子で、長袖の上着を脱いで逞しい前腕を露わにする。
「馬鹿野郎、この人を誰だと思っている。百足衆初代総長にして、中三にして名古屋・山梨・三重・長野を占領した。最強武人伊達利家様だ。あの腕の百足の傷跡がテメェにはわからねぇのか。」
不良は、口早に捲し立てる。
「えっっ。」
不良は利家の前腕に目をやるとそこには、傷跡が重なり百足のようになった。傷がついていた。それに気付くと、不良は突然体勢を変え、態度を変え、利家に土下座した。
「すいません、知らなかったといえとんだ御無礼を。」
必死になって謝る。口から血を撒き散らし不良に対して利家は、
「知らなかったねぇ…君・名は?」
「大井・貞政です。」
大きな声でいったせいで口から出た血が利家のサンダルに着く。
「そうか大井くんかぁ。」
利家は、にこやかに答えると
「暦、後ろで待ってるやつらと合流しな。ちゅぐ終わる。」
噛んでいたがものすごい迫力の優しさと、冷たさが暦を襲う。
「う、うん」
暦はで即答とタッタと楓達のほうへ駆けだした。サバットで、強力な力をもつ暦だからこそ察知した利家の異常ななにかそれに、暦は震えが止まらなかった。

帰ってきた暦を受け止めると壱は
「先にいこうかの、やつもここから先は見られたくないはずじゃからの。」
命と暦の肩をつかみ前・利家のいる方とは逆の方向に歩きだす。
「楓にいこうか。」
天は、楓の服の端を引く。
「そうだね。」
楓は、遠くに消えゆく友人に見つめる様な声で言った。

不良たちと初代総長が向き合って。総長は後ろの友人たちの目線か自分から関係がなくなるのを確認して携帯電話で電話を掛ける。
「片倉か?おう、俺だ。大井貞政ってやつしっかり教育してくれや。俺のかも知らなけりゃ、サンダルまで汚す始末だ。」
その言葉に驚いて気付いた大井は、慌てて自分の服で血を拭おうとした。
ガグフゥ
大井が拭おうとして顔が、足に近づくとつま先で鼻に強力なけりを入れる盛大に血が出るが折れてはいないだろう。
「片倉頼んだぜ。」
利家は冷静に電話を切ると、痛みにのたうちまわる大井に腹を踏みつけ、動きを止めてそれからまた足を浮かし、鳩尾を踏みけり最終的に喉を踏む。
「大井くん、今日は忘れない夜を自分がセットしておいた。楽しんで聞くれ、君が物凄いMならの話だが。」
利家は、空気も凍てつき氷る凶悪な笑みを浮かべる。
そして、何度も、大井の腹を踏み抜く。

「お〜〜い、」
利家の優しい声が、楓の一行にかかる。
「暦、大丈夫だったか?」
利家は優しいお兄さんけれど、裏には恐ろしい無邪気な死神がいる。
「大丈夫だよ。」
「なら、よかった。アイチュにはしっかり言っておいたから、もう大丈夫だよ」
「ありがとう…。ねぇ。」
暦はこわごわ言った。
「肩車してくれる?」
「もちよん。」
利家の快い噛み返事。暦は、さっきの利家と今の利家は、違うのだと言い聞かせるかのように肩車をせがんだ。

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