はい、どーも篠崎 零です。俺が此処に住むことになってから1週間。俺はこの研究所にも慣れて、自由に歩き回れるようになり、此処の研究員にも顔を覚えられていた。
そんなある日、剛からこんな話を聞いた。
「超能力?」
「そう、超能力。この研究所、いや、学園都市では記憶術や暗記術の研究の一環として超能力の研究を行っているんだ。」
「へ~.
それで?」
「零も能力開発を受けてみないかい?別に危ないものじゃなし、すぐに終わるよ。どうだい?受けてみないかい?
「うん。」
まあ、能力はもう持ってるから受けなくても構わないんだけど、ここで断るとなんか変な感じになるよな。
ま、受けていいだろ。
「いいよ。」
「そうか。じゃあこっちだよ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜能力開発中〜〜〜〜〜〜〜
「で、結果はどうだったの?」
まあ、結果は分かってるけどね。
「それがね・・・・・」
「??何か変なことでもあったの?」
「・・・実は、君が原石であることが分かったんだ!」
「へ〜。」
「へ〜って・・・感動が薄いね・・」
なんか苦笑してるけど、しょうがないじゃん。もう知ってたし。
「いいかい?原石っていうのはね、学園都市で行っているような人工的な方法を用いずに超能力を発現させた、云わば天然の能力者なんだよ!
しかも、現在確認されている原石は50人程だ。君はその中の一人なんだよ!」
「・・・はぁ。」
この人急に熱くなりはじめたな。
「それで、君の能力なんだけど・・原石となると能力の詳しい情報は分からないね。」
「え?そうなの?」
てっきりすぐに詳しく分かるのかと思ってたけど違うんだな。
「うん。普通の能力、というか原石以外の大体の能力は元となる能力から派生していくような形になるんだ。
例えば一般的な能力の空力使いは念動力の一種という扱いになるんだよ。
だけど原石にはそういったものは当てはまらない。原石である者の能力は学園都市の能力開発による能力とは大きく方向性が異なるらしいんだ。いい例が第7位・・・って言っても分からないか?
まあ、とりあえずそんな訳で君の能力についてはよく分からなかったんだ。」
「じゃあ、どうすんの?」
「実は此処は君みたいな子供の能力研究をしている研究施設なんだ。
そこで提案なんだけど、此処で君の能力について調べてみないかい?
こう言っちゃ悪いけど君は行くところがないんだろ?まさかずっと此処に居るわけにはいかないし、いずれは学校にも行かなきゃいけない。
学園都市は能力の強度で入学できる学校が変わるからしっかり能力が確定できないと色々と面倒なんだよね。」
・・・・いや、完璧に理論武装されて拒否できないよね。コレ。
「う、うん、いいよ。」
「じゃあ、早速準備しようか。」
「準備って何か必要なものでもあるの?」
「ああ。申し訳ないがまだ君には学園都市の戸籍がないんだ。だからまず、戸籍を作らないと。」
「確かに。でもそんな簡単に戸籍なんて作れるの?」
「問題ないよ。正直、学園都市には君のような子供が結構いるんだ。置き去りと言ってね。」
「へ〜。じゃ、大丈夫そうだね。」
「うん。・・・それにしても零の能力ってどんなものなんだろうね?」
「ある程度の見当とかついてないの?」
「それが全く。大概の能力は基本的な能力、さっきの例でいくと念動力なんてのは簡単に分かってね、能力の判定には脳波を使うんだ。
同じ能力者はある一定の脳波パターンがあることが分かってるんだ。だからそこからどんな能力なのかある程度の判断はつく。そこからはひたすらデータとの照合さ。
同じ能力者がいれば、それでOK。いないなら詳しく調べて定義づけて、書庫に登録、っていう流れなのさ。」
「意外にめんどくさいんだね。」
「ははは、でもそれが僕らの仕事だからね。」
「まあ、そうなんだろうけどね。
それじゃ、戸籍とかの準備は任せるよ。」
俺ではどうしようもないからな。こればっかりは。
「ああ、任されたよ。
それじゃ、君の能力の実験は、色々必要なものを揃えるのに結構時間が掛かるから、そうだな・・・多分1週間後位から始めることになると思う。」
「分かった。」
こうして、俺の能力の研究が開始されることになった訳だが、果たしてどうなることやら・・・