小説『リオン・マグナスに憑依』
作者:空夜()

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 鏡に映った自分ではない少年姿を見て取り乱し混乱状態になったが、落ち着きを取り戻したあと再び鏡を見たら僕は現実から逃げる理由が出来て安心した。

 
 「なんだ、夢か・・・・・・・そうだこれは夢なんだ。現に鏡に映ったのは僕じゃなかった・・・・・・・・僕が人殺しなわけがない。これは悪い悪夢なんだ。・・・・・・きっとあの火災もゆめなんだ。目を覚ませばいつもの日常にもどれるはずさ。」


 そう考えながら、体の汚れを落とし、着替えを持ってきた白髪の老人についていきホテルのような部屋で眠りにつくことにした。目が覚めたすべてを忘れられると思って--------しかし、現実は甘くなかった。目を覚まして待ってたのは何時もの日常ではなく、狂った現実だった。

 
 (嘘だ・・・・・認めたくない・・・・昨日の破夢じゃなく現実なのか・・・・・・・)


 目覚めた時は見たのは、昨日、白髪の老人に連れて来られたホテルのような部屋だった。ベットから降りて部屋を見回した部屋の中はシャンデリアやさまざまな装飾品があり、鏡に映っていたのは返り血を浴びてないが昨日の少年の姿だった。―――その瞬間昨日の人を刺した感覚が蘇りありもしない感覚に胃の中が逆流し吐き気に襲え荒れたが、それを何とか堪えた。しかし、このことにより、僕が僕ではない事と、ここが僕の世界ではないと嫌でも認識させられた。

 
 トントン「失礼します、リオン坊ちゃん。」


 ドアノブを叩く音とともに、昨日の白髪の老人が部屋に入り、手に持っていた衣服を僕の近くの机に置いた。

 
 「昨日は大変な出来事がありましたが休めましたか、後体調の方はよろしいですか。」

 「すみません・・・・・・・・・体調は大丈夫ですが、昨日の出来事の前の記憶がありません。」


 まず情報を手に入れるために記憶喪失の人を演じた。僕はこの少年ではない、だからあらかじめこうした方が行動しやすい。それに、記憶が無い、これはたしかに嘘はついてない現にこの老人は僕のことを知ってるようだが、僕はこの人を知らない。


 「本当ですか坊ちゃん!もしかして今までの事を何も覚えてないのでしょうか」

 「はい・・・・・記憶がありません。あの、誰なのでしょうか。あとリオンというのは僕の名前なのでしょうか?」

 (しっかりしてるとはいえリオン坊ちゃんはまだ子供ホヒ、昨日自分のお世話係に殺されかけてショックで記憶を・・・・)  
 白髪の老人は手を顎に当て、何か考え込むような動作をし、ぺこり、とお辞儀をした後に口を再び開けた。


 「私の名前はシャイン・レンブラントになります。ここヒューゴ亭の執事長をやらせて頂いております。そして貴方の名前はリオン・マグナス。ここヒューゴ亭の御子息になります。ですので坊ちゃんが私に敬語を使う必要はありません。」

 
 と、笑いながら白髪の老人はそう答えた。―――しかし、僕はこのレンブラントと名乗るやさしげな老人がどことなく芝居くさく感じたが・・・・・・・・恐らく気のせいだろう。


 「さて、坊ちゃん。そろそろ食事の準備が出来ますので、お着替えください。私は坊ちゃんが着替えてる間にこの事を貴方のお父上ヒューゴ様にお伝えに行きます。食事が準備が出来たら使用人が伝えにくるので、ここでお待ちください。」


 レンブラントは部屋から出たあと、 僕は今の自分の状況を整理しながら着替えを始めた。


 (ヒューゴに、レンブラントそれに、僕の名前がリオン・マグナス・・・・・・・・これは、まるでテイルズオブデステニィー世界ではないか、そして僕が何らかの理由でリオン・マグナスという架空の人物にに取り付いたのか?いや、ただせさえこのわけの分からない状態で混乱しているんだ。今は考えるだけ無駄だろう)


 僕は着替え終えた後、使用人が来る間の短い時間を、自分の状況を整理するのに時間を使った。

 何も考ええずに辺りを見渡し、机の上にあった奇妙なものに物が目につき、近づいてとりあえずいろいろ弄ってみた。

 
 (なるほど・・・・・・どうやらこの世界の電気スタンドみたいなものか、それにしても奇妙な形だな。・・・・・・んっオベロン製・・・・・・文字が理解できるこれなら本などから、この世界の知識を得ることができる)


 
  僕はすぐさま本を探しにかかったが、思ったよりも使用人が来るのが早くておまり多くのことを調べられなかったが、とりあえずこの世界の文字がなぜか理解できるみたいだった。

 そして僕はこのまま、使用人について行くような形で部屋を出た。

-3-
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