「……ん? え? え? え? うそ! うそぉー!」
自分の部屋にいたはずの真堂は―――また灰色の空の上で、見覚えのある土地えと落下しようとしていた。
「またですかあああぁぁぁー!」
どうしてまたこの身一つで落下中なのか、真堂にもわけが分からない。記憶を整理する暇は一切なく、分かっていてもただひたすら、落下する時の死という恐怖に脅えるだけだった。が―――
「あああぁぁぁー―――ウゲッ!」
落ちた。だが死んではいない。
「い……、生きて……たのが奇跡だろうな……たぶん」
また灰色の砂漠地帯に落ちたおかげか、きめ細かな砂がクッションがわりになり、なんとか死ぬことを回避した。
「いてて……この砂の手触り」
辺りを半分見渡して見る。どうやら真堂は、また知らぬ間に灰色の砂漠地帯に行き着いていた。そして砂を掴んでみると、前と同様に片栗粉と同じ手触りがした。
「やっぱり、ここは―――」
この時、いまだに未解であるこの灰色世界に来てしまったことを、真堂は理解した。
「いや〜、こりゃまた豪快に落ちてきたもんだね〜、アッハッハッハ!」
落ちてきたそうそう、いきなり真堂の後ろから、この世界の住人であるフェルメールとは違い、ひたすら爆笑する妙な男を見つける。