小説『ラグナロクゼロ(シーズン1〜2)』
作者:デニス()

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1時間後。

「李玖〜生きてるか〜?」

いつ間でも戻って来ない真堂を迎えに、ベッド行きにした本人・崇妻獅郎が堂々と無責任な態度で保健室に来た。

 「………」

 「おう、生きてたか……ん? 李玖……おまえそんなにやせてたっけ?」

 獅郎が来た時には、友近と石川の二人は『秘め事』を終え、すでに真堂以外はバレずに去っていた。そんことも知らずに獅郎は、イラだちを覚える程の無責任な態度で、真堂が精神的打撃によるやせ細った顔を指摘した。

「……ほっといてください……」

あの『秘め事』で獅郎に対して怒る気力さえも湧かずに、真堂は重苦しい心境を思わせるような暗い表情を浮かべた。

「どした?(笑)」

「―――くぅ……ウガァー!」

明らかにバカにした含み笑いで尋ねたその獅郎の発言に、突然火が着いたように真堂はベッドから飛び出し彼を襲った。だが―――

「フンッ!」

「―――エブシッ!」

強襲してきた真堂に対して、条件反射で獅郎は右ストレート(右利き)を彼にくらわし、一方的なKO勝ちとなった。だがまた気絶させてしまったことで、面倒になった獅郎は真堂をベッドに戻し、そのまま放置した状態にしてなにもなかったかのように教室に戻って行った。

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