小説『ラグナロクゼロ(シーズン1〜2)』
作者:デニス()

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 真堂の自宅。夜。

夕飯を食べた後、自分の部屋ベッドに横たわり、青い天井を見ながら真堂は自分の能力について考え始めた。

(いったいこの能力はなんなんだ?)

青い天井に手をかざし、真堂は自分の手の甲にある傷跡を見つめる。それは昔、小学生の頃にいじめでできたもで、完治しても未だ消えずにいた。
真堂がこの状況で、能力について考え込むことには理由があった。それは、やっと思いで操れるようになった超能力(読心術)が突然、使えなくなっていたのだ。

(兄さんに相談しようにも、信じてくれるかどうか分からないしな〜。というよりいつの間にか使えなくなってるし……)

兄に相談する前に真堂は弱気になり始める。なにせ証拠となる能力が突然のように消えてしまい、今は元も子もなかった。そして再び能力を目覚めさせる為、二度と行くまいと決めた『謎の教会』に行くか、真堂は迷っていた。

「うぅ……あそこもなんなんだろう。……ん! そういえば『あの人』だったらなにか知っているかな?」

教会に行くか行かないかを考えていた途中、真堂は能力について相談する人に心当たりがあった。
3年前に911で恋人を亡くし、日本文化に惚れ込み日本に引越してきて、今は真堂の家の隣に住んでいる人物。崇妻獅郎と兄と同じく信頼できるアメリカ人女性。クレア=レイルフォードに、真堂は相談しようとしていた。

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