小説『ラグナロクゼロ(シーズン1〜2)』
作者:デニス()

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「―――着ついたぁー」

なんとか授業までの時間にはついたが、後ろの席の獅郎から口元になにかの粘着性の音をたてる。

「獅郎……その口に入ってんの……なに?」

真堂は「まさか」と思い、獅郎に問いかける。

「何って? さっき食べた弁当だけど」

なにくわぬ顔で言った獅郎。

「早! あの短時間でどうやって完食したってゆうの?」

真堂が疑問に思うのは無理もない、なぜなら真堂が屋上で獅郎の居た事に気付かずにいた時、獅郎は空腹に我慢する事ができず、先に弁当を食していたのである。

「なるほど、どうりで気付かないわけだ……。じゃあ、昼飯食ってないのって……俺だけ?」

今さらのように答える真堂。

「そうだな……」

そして真顔で答える獅郎。
授業が始まるチャイムと同時に、真堂の腹の虫も鳴った―――。

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