小説『ラグナロクゼロ(シーズン1〜2)』
作者:デニス()

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ドクンッ

『ん?』

真堂が死んだ事を確認した後で、盲目の悪魔は人間を殺した達成感に浸ってた途中、突然心臓の鼓動のような物音が聞こえてきて、真堂が本当に死んだかどうかを再度確認した。

『死んでる……よな……』

耳をすましてみると心臓の音は聞こえてはいなかった。

『死んでるな、ヒャハハハ! 俺にあったのが運の尽きだったな坊主 ヒャハハハ』

未だにこりていない発言をして、盲目の悪魔がその場を立ち去ろうとしたその時―――

『さあて次は誰を引っ掛けて殺そうかな〜―――ん? な! 馬鹿なっ―――がっ!』

普通の人間とはなにかちがう妙な気配を感じて後ろを振り向いた瞬間、片手で首を掴まれ壁に叩き付けられた盲目の悪魔は、目が見えなくても気配で分った。

『なぜ……霊体である俺に触れられる。おまえは確かに死んだはずだ!』

(なんだ……力が……)

盲目の悪魔の首を掴んでいるのは(本当だったら触ることができないのだが)今さっき息を引き取ったはずの真堂李玖だった。

『なんだ……その目は……』

(湧き上がってくる……)

盲目の悪魔が言った目というのは眼光という文字通り夕陽―――黄昏の如く光を放ち、まるでこの状況から目の前の敵を倒す為に発動されたかのように、真堂は心の中で呟ていているだけで、無意識に体が勝手に動いていて、あまりコントロールがきかなかった。

『く……くそっ!』

(ん!)

「ニークーイー!」

どんなにもがいても身動きができなかった盲目の悪魔は、鎖を引っ張ってホームレスを操作し、真堂の掴んでいるのをどかせようという強行手段にでた。

(このごにおよんでまだこの人を持て遊ぶ気か! それなら……)

盲目の悪魔の目論見通り真堂は手を離して、攻撃してくるホームレスの方え向かった。

「ニークーイー!」

ホームレスは言葉どおり憎しみを込めた右ストレートをくらわせようとするが、ケンカに不慣れな真堂にはこの攻撃は避けられない。

(遅い!)

だが今は違う。謎の力によって真堂の身体能力は前の数倍にも跳ね上がっていて、視覚は淡い黄色に包まれているが、それでもホームレスの速い右ストレートはゆっくりとスローモーションのように遅く見えていた為、難なく避けられた。

『なに!』

盲目の悪魔は驚いた。確かに真堂の身体能力は上がっているのは言うまでもない、だが同じようにホームレスも悪魔の力によって身体能力は上がっているはずだった。

『一体なぜ! なっ、まさか……』

不思議に思った盲目の悪魔は今さっきあること確信した。それは、自らの力のより相手の力の方が勝っていることを確信したのである。

『俺の力より勝っている力だと……くっ、お前なにものだ!』

(うおぉー!)

真堂はホームレスの攻撃を抜け、背中に回り込み、なにをするのかと盲目の悪魔が思ったところ、背中から繋がっている鎖を手刀で糸も簡単に切り上げた。

「あー……」

鎖を切られたことでホームレスは盲目の悪魔の呪縛から解き放たれ、再び死体えと戻り倒れ込んだ。

『なにぃ! 俺の鎖がそんな手で簡単に切れるはずがねえ、なにかの間違いだ!』

盲目の悪魔は今の現状に認められずに、混乱し始め真堂のある一言で正気に戻る。

「もう……終わりだ」

体意外に喋れるくらいに口を動かせるようになった真堂は、「この場から立ち去れ」という意味が込められた言葉を盲目の悪魔にいった。

『なっ……くぅ……まだだ……』

「!」

『まだ……まだ終わっちゃいねえぞ! うおおおらぁー!』

ホームレス(人間)という武器を失っても、諦めずに盲目の悪魔は無駄だと知っていても、鋭い爪を立てて直接真堂に襲いかかってくる。

「そうか、残念だ―――」

真堂はその俊敏な動きで盲目の悪魔の攻撃をかわし、その間合いに入って素手で盲目の悪魔の胸を貫いた。

『がはっ! ちきしょう……』

「言ったろ、終わりだって」

『くくく……』

胸を貫かれたまま、まるで最後のあがきのように痛みを忘れ、絶え間ない微笑を浮かべた盲目の悪魔。

『俺を……倒したところで……他の奴らが黙っちゃ……いねえぞ』

「な! まだお前みたいな奴らがいるっていうのか」

『そうだ……『あのかた』がこの島国に来てから、網を広げる為に俺達を放った』

「『あのかた』って?」

『さあな……俺を倒したご褒美はここまでだ。まっ、せいぜいがんばるんだな、クク……ヒャハハハ―――』

盲目の悪魔は真堂の腕に刺されたまま、余裕を見せ始めたと思ったら急に伏線のような言葉を残して、最後に大きな高笑いをしながら黒い煙の如く消え去った。

「なんだったんだ……一体」

いつの間にか体のコントロールが戻り黄昏の如く煌めいていた眼光は消え、真堂から発動された謎の力とさっき倒した盲目の悪魔の言葉について疑問を抱いた。

「う〜ん……ん? うわっ!」

考え込んでる途中で突然、強烈な悪臭が真堂の鼻腔を襲った。

「なんだ……この臭い」

悪臭のする方え後ろから振り向いてみると―――

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