「ん……んぅ……ここは……?」
『盲目の悪魔』を倒した後に急激な疲労で倒れ、病院に連れて行かれたはずの真堂は―――灰色の空の上で、見知らぬ土地えと落下しようとしていた。
「だあああぁぁぁー!」
なぜこの身一つで落下中なのか、真堂にも分からない。記憶を整理する暇もなく、ただひたすら落下する時の死という恐怖に脅えるだけだったが―――
「あああぁぁぁー―――ウゲッ!」
落ちた。だが死んではいなかった。
「い、生きてる?」
『灰色の砂漠地帯』に落ちたおかげか、きめ細かな砂がクッションがわりになり、なんとか死ぬことえの危機からは解放された。
「ふー……ん、なんだこれ? 砂……というより……粉?」
辺りを半分見渡して見ると、どうやら真堂のいる灰色の砂漠地帯は何キロメートルか広がっているのがわかった。砂を掴んでるとあまりにもきめ細かさにまるで片栗粉と同じ手触りがした。
「というより、ここは一体……?」
だがそんなことはよりも一番気になるのは、この見知らぬ土地はいったいどこなのか、どうしてこんな所にいるのか真堂には検討もつかなかった。
「とりあえず人を、人を探そう!」
数分後
「ハァ……ハァ……」
なん分間かささ迷ってみて砂漠地帯を抜けて『荒野』に行き着くが、周囲を見回っても辺り一面白い地平線が見えるだけで、大した収穫はなかった。
「……もうちょっと歩くか……」
真堂は再びを歩き出し白い荒野をさ迷う。
数時間後
「ハァ……ハァ……、うぅ……ん!」
なにも見つからない事を理由に唸り欠けた瞬間、真堂の目にある物が止まった。それは『人影』だった。
「人!」
真堂は喜びのあまり疲労を忘れて、すぐにでも飛び込むかの如く、その人影が見えた方向えと走り出す。
「ハァハァハァ……」
真堂は見つけた人影の正体は、とても大きな崖に立ち尽くしていた少女の後ろ姿だった。