2分後
この時間の間に絶え間ない殺戮が起こされた。哲斎以外の8人の部下がアシュレイの行動によって、阿鼻叫喚の如く情けない叫び声を発し、数秒のうちに一人ずつ殺され、鮮血は壁や家具に舞い散り、客間は一瞬で血の海とかした。
「あ……ああぁ……」
それを間近で見た哲斎は自分が有利な立場でいたはずなのに、たった一人の少年によって逆転された。そのことで声を震わせながら、座っていたソファーから離れ、その場からすぐに逃げることができなかった。あまりにも信じられない光景に腰を抜かしたのだ。
「そ、そうか、白い髪と肌……そしてその奇怪な能力は……や、やはり貴様らネフィリムか……!」
「ごめいとう〜」
ディオラウスは哲斎の質問に満面な笑みで答えた。
「ディオ様。全て片付けました」
今さっき殺した哲斎の部下達全員が、ちゃんと死んでいる確認および最後のとどめの後に、アシュレイはディオラウスの衣服に血が付いていないか調べながら報告した。
「それにしても……派手にやったね」
血塗られた客間の周りをみてディオラウスは、アシュレイの虐殺行為に感心を持ったような言葉を口にした。
「お洋服の方は汚れがなくてよかったです」
ディオラウスの衣服に帰り血が付いてないか確認を終えたアシュレイ。
「そういえば、この前は何人殺したっけ?」
「はい、ディオ様。この前はある任務でSAS(英国特殊部隊)一個中隊を壊滅させました」
「なっ!」
それを聞いた哲斎は今となって、世界最強の特殊部隊を全員殺したアシュレイの実力を知り、この客間が血の海になったのがおのずと頷けた。
「さてさて組長。今この状況で、ある二つの選択をしてもらいます」
「な、なに……!」
「一つ、裏切り者を大人しく渡して組織に吸収合併されるか。一つ、今ここでアシュレイに殺されるか。二つに一つ選んでいただきます」
「お、俺は……―――」
今哲斎の目の前に立ちはだかっているディオラウスに、二つの選択を迫われた。そのじてんでかなり不利な状況で出した哲斎の答えは―――