小説『IS〜ただ一発の魔弾として〜』
作者:ディアズ・R()

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第十三話





「師匠と呼ばせてください!」
「何を言ってるんですか?」

アリーナを破壊して、織斑先生に怒られた次の日。
包帯を巻いているララーンさんが私に言ってきた。
私、弟子を取る気はありませんよ?

「なら、わたくしは先生とお呼びしますわ!」
「アナタもですか?」

セッ○スさんが乱入してくる。
鬼気迫る表情で詰め寄ってくる。

「その間違いは止めてください!」
「貴様!私の邪魔をする気か!!」
「わたくしは、あの完璧な偏向射撃(フレキシブル)を見て教えを乞う事を考えたのですわ!あなたの邪魔なんてしてる暇ありませんの!」
「ハッ!私に手も足も出なかったくせに、師匠の手を煩わせるか!消えろ!」
「お黙りなさい!こっちはあなたのせいで学年別トーナメントに出れないのですよ!」
「む、それはすまない」
「い、いえ、謝ってくれるのなら別に……」

何故か二人ともモジモジし始めました。
なんか、可愛い。

「なんだ、賑やかだな」
「騒がしいの間違いじゃないか?」
「個性だよね」

いっちーとモッピーとシャルナーが教室に入ってきた。
何故でしょう、モッピーと言うと悲しい気持ちになります。

「おはようございます。イーサンは予習しなくて大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、問題ない」

決め顔で言ってる所悪いですが、間違いなくダメですよね?

「今から掴み部分だけお教えしますから、席に着きなさい」
「お、マジで?ラッキー」
「「……」」
「あの二人、一夏の事凄い睨んでるけど、どうしたのかな?」
「さぁ?まあ、ユラが関係してるのは間違いなさそうだが」

簡単に説明してると、席に着く生徒も増えてきた。
ラグランジェさんとセカチューさんは、何故かいつるぎ君の事を親の敵でも見る様に睨んでいた。

「教官だけでなく、師匠まで……絶対に許さんぞ!」
「一夏さん……個人レッスンなんて、羨ましい!」
「あの二人が同性愛に目覚めない事を祈る」
「そうだね」

織斑先生と山田先生が来たので、予習終了です。
最近暴走気味なので、のんびりしましょう。


◇◇◇◇◇


「師匠!訓練相手をしてください!」
「先生!このパターンの行動は如何したら良いのでしょうか!」
「貴様……」
「いい加減にしてくださいな……」

銀髪さんと金髪さんが、不良みたいに睨み合ってます。
私を挟んで。
ぶっ放しても、良いですか?

「お前等、ユラの事も考えろよな。それで、ここはどうするんだ?」
「そこの線を引いてある所ですよ」
「おお!ここにあったのか!」
「チッ……織斑、一夏……必ず殺してやる」
「くぅ……今の一夏さんに言われたくないですわ」

放課後なのに、なんて騒がしいのでしょう。
ぬこを抱っこしたいです。
最近、動物分もとい癒しが足りません。
もうこっそのこと、あの二人に動物の真似でもして貰いましょうか?

「そろそろ帰りますね」
「あぁ、助かったよ。いつもありがとうな」
「いえ、気にされても迷惑です」
「ユラらしいな〜折角だから一緒に帰ろうぜ!」
「貴様はどけ!」
「一夏さんはどいてください!」
「なんで!?」

何故か、二人が腕を取って歩き出す。
ウサギさんは、身長が私と同じぐらいだけど力があるので、私を持ち上げられる。
カスタードコロネさんは、私より身長が高いのであっさり持ち上げられる。
つまり、私が浮いてる状態。
楽なんですけど、なんか変じゃありません?

「UFOキャッチャーみたいだな」
「ホントだな」
「ホントに人形なら良かったかな」

ドナドナされました。


◇◇◇◇◇


「そろそろ怒りますよ?」
「「すいません」」
「そう怒るなって」
「私は相談があって……」
「僕は、する事がなかったから」
「全員がいるから来てみたのよ」

私の部屋に押しかけてまで騒ぐとは、万死に値します。
小腹が空いたので、パンにピーナッツクリームでもつけて……空、だと!?

「あ、悪いユラ。それ昨日食べちゃった♪」
「実は、私も……」
「私は止めようと……美味しかったです」
「まあまあだったわ」
「師匠の好みが分かりました!」
「……えへ♪」
「よろしい、ならば戦争です」

ISを展開して、ガトリングを呼び出す。
私の前にいる敵が、顔を真っ青にする。

「慈悲は、必要ありませんよね?」
「やめんか馬鹿者」

織斑先生に怒られてしまいました。
私、悪くありません。
ただ撃ちたいだけです。

「全く……せめてISは使うな」
「では、ステアーAUGで」

机の下から銃を取り出す。
ステアーAUGとはブルパップ方式アサルトライフルの一つであり、ブルパップ方式とは銃器の設計においてグリップと引き金より後方に弾倉や機関部を配置する方式のことであるのです。
少しばかりゴツイですが、威力保障できます。

「つ、机の下に、そんな物が!?」
「ユ、ユラ!それは銃刀法違反だぞ!?」
「アンタが言うんじゃないわよ!!」
「わたくしもスナイパーライフルなら部屋にありますわ!」
「実は僕も……」
「流石は師匠!所で、何に使うのですか?」

笑顔で六人に銃口を向ける。
動きが止まる六人。
織斑先生はISでなければ良いらしく、もういない。
六人に言わなければならないことがあります。

「私に銃を使わせるんです、どうなるか分かりますよね?………真っ赤な華を、咲かせましょう♪」
『イヤァァァアァァアァアァアァ!!!』


◇◇◇◇◇


「皆ボロボロだね〜」
「のほほんさん見てください!こんな可愛らしい親子猫ですよ!」
「わ〜可愛いね〜」
「うは〜癒される♪」
『……ユラちゃんコワ』

包帯だらけの一貫君。
青褪めた顔でガタガタ震えているもっぴーさん。
松葉杖を持って、魂が抜けている状態のセイバーさん。
呆然と窓の外を眺めるデコに絆創膏貼ったジョーズさん
何故かダンボールに引き篭もっているライラさん。
別クラスの墨さんの机には、花が飾ってある筈です。
どうでもいいですね。
のほほんさん可愛い〜♪

「やりすぎだ。まあ、何時もの事か。明日からの学年別トーナメントの準備は出来ているな」
「皆さん頑張ってくださいね!でも、織斑君は休んだ方が……」
「大丈夫です!」
「で、でも……」
「ホント大丈夫です!」
「……無理しないでくださいね?」

まだ足りなかったですか。
もっと強力なのでやればよかったですかね?

「ッ!?凄い寒気が……今日はしっかり休まないとな」

明日暇ですよ〜
早く終わらないかな〜


◇◇◇◇◇


「織斑、一夏……加減はしない!!」
「ラウラ・ボーデヴィッヒ……俺は、負けない!!」
「銃は使うな、絶対銃は使うなよ!!」
「僕も使いたくないけど、使わないと勝てないから!!」

ララーンさんとホスピタリティーさんのチーム対ファーストサマー君とランスロットさんのチームが一番最初になったようです。
アリスがハッキングの痕跡を発見しましたが、何処からハッキングしたかは分からなかったので無視しました。
関係ありませんし。
早くヤりあってくれませんかね。
今日の私の楽しみが、見る以外無いんですよ。
動物探しは先生達に止められたし、のほほんさんへの愛もクラスメイトさん達に止められたし、トーナメントには出れないし、ストレス溜まります!
それにしても、ラーさんのIS元に戻ったんですね。
なんででしょう?

(IS自体がヴァルキリートレースシステムの機能を支配して、擬似的な二次移行をしていたようです。現在はヴァルキリートレースシステムを削除したようなので、元の一次移行に戻ったと推測します)
「そうですか。私にはもう、関係無いと言う事ですね。それに、弱くなった訳じゃないようですし……これからの成長に期待させてもらいましょう。フフ♪」

トーナメント最初の戦いを眺める。
全員の動きが、前よりも確実に速くなっている。
まあ、そうなるように追い立てましたからね。
もっと強くなって貰いますよ。
私よりも強く、ね。

-14-
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