小説『IS〜ただ一発の魔弾として〜』
作者:ディアズ・R()

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第十五話



寮の廊下を歩いていたら、もっぴーに出会った。

「おや、もっぴーさんではないですか」
「お願いだからそれだけは止めてくれ」

もっぴー、いいと思うんですけど……残念です。
今日は、オータム君とランスロットさんの二人と買い物に行く予定で、校門集合なのです。
折角なので、放棄さんも誘いますか。

「ショッピング、行きませんか?」
「え?……ユラと、二人で?」

何故顔が赤くなるのでしょう?
何処に照れる要素が?
謎です。

「いえ、イナーシャルハーチュリーカルバウド君と杖さんが一緒です」
「一夏とシャルロットも一緒か……うむ、行かさせてもらう。少し待ってもらえるか?」
「はいはい〜」

不如帰さんはそう言って、自身の部屋に入っていく。
着替えるんですかね?
私、大丈夫ですよね?
……一応着替えましょう。
純白のワンピースを着てみました。
……地味ですかね?
まあ、誰にどう見られようとどうだっていいんですけどね。
お金は、適当に持って行けばいいですね。
後は、携帯ですか?

「待たせたな」
「待ったような、待ってないような。つまり、大して待ってないです」
「そうか」

何時ものポニーテールに、胸が主張し難いダボッとした黒いシャツ、赤を基調としたコート、動き易さを考慮したホットパンツ。
そんな服装のモップさん。
コートは着ない印象なのですが……聞いてみましょう。

「コート、好きなんですか?」
「……一夏と買い物に行った時、な」
「?……あぁ〜あの付き合うって言うのを買い物に付き合うと勘違いした時のことですか。結局、買い物には行ったんですね」
「その、いつもユラには御世話になってるから、その御礼にと思って……だから、これ!受け取ってくれ!」

そう言って、法規さんに渡されたのはロケットのペンダント。
開いてみると、何時ぞやの位置下君のクラス代表就任パーティーの時の記念写真が入っていた。
数秒見詰めてからロケットを閉じて、自身にペンダントを着ける。

「ありがとうございます。大切にしますね」

普段ならしない様な、柔らかい微笑みを浮かべた。
箒さんの顔が真っ赤になっている。
のほほんさんの次に可愛い人ですね。
蜂起さんを連れて、校門に向かう。
その際、外出手続きも行う。
チラッと見えたが、パンダさんとお嬢様さんとラ兎ラさんも出かけている様だ。
そういえば、織斑先生と山田先生も外出していた筈。

「どうかしたか?」
「いえ、何でもありません」

今気にすることではないので、スルーすることにした。
ちゃっちゃといきましょうか。

「あ、そう言えば……ユラの私服始めて見たが、似合っているぞ」
「そうですか?ありがとうございます。帚さんも似合っていますが、スカート姿が見てみたいですね」
「え、あ……な、なら、今日探してみることにする」

何故顔を赤くして、モジモジし始めるんでしょう。
まあ、可愛いので良しとしましょう。
のほほんさんほどではないですがね!!

「お、ユラ〜こっちこっち。あれ?箒も来たのか?」
「フン、私がいたらいけないか?」
「いや、別にそういうことじゃないけど……」

モテル男は辛いですね〜


◇◇◇◇◇


どうやって移動したのか覚えていませんが、些細なことなので気にしないことにしましょう。
現在水着選択中。
ちなみに私は、フリルだらけの水着にした。
というか、それにさせられた。
伯耆さんとランスロットさんに「これがいい!絶対似合うから!」と言われ、これになった。
別に、水着なんて紐でもいいんですけど。
一応、もう一着選んでおきましょう。
水着を見ていると、法喜さんがこちらに来た。

「ユラ、一夏とシャルロットを知らないか?」
「はい?さっきまで其処にいましたよ」

水着売り場の中を見渡してみるが、御二方の姿が見えない。
気配は店内から漂っているのですが、如何せん人が多いから分かり辛い。
ただ、私達が入って来た時の客を見る限り、特に変化はない。
つまり、減ってもいないし増えてもいない。
だけど、一つ試着室が閉まっている。
私達が入って来た時は、開いていたはずだ。
ジッと見詰めていると、芳紀さんが私と同じ様に試着室に視線を向ける。

「……それは、いや、一夏なら……だが、もし違ったら?いやいや、それこそ……むぅ」

何やら悩んでいるようですね。
しょうがないので試着室を開けに行く。
試着室の前に来たら、織斑先生と山田先生が現れた!

「お前がこんなところにいるとは、珍しいな」
「失礼な」
「む、すまん」
「誘われなければ絶対に来ません」
「それもそうだな」
「納得しちゃうんですね……」
「納得するんですか……」

山田先生とホウキさんが呆れた顔をしているが、気にしたら負ける気がする。
さっさと試着室を全開。
そこには、全裸のロッ○マンさんと真っ赤ないっチャンがいた。

「え?」
「どうしたの一、夏……」
「お前達……」
「ふ、不純異性交遊です!!」
「一夏!!」

これは……修羅場というやつですね。
どうでもよかったので、水着を眺めていたら誰もいなくなっていた。
……迷子?
しょうがないので、店の外にある気配に近づく。

「ちょっと!見失ったじゃないのよ!!」
「そんなことわたくしに言われても知りませんわ!!」
「水着か……ん?師匠!?」
「「え?」」

こんなところで会うとは……偶然?
まあいいです。
兎さん達の襟元を掴んで、水着売り場まで引き摺る。

「く、苦しいですわ、先生……」
「ちょっなんで、引き摺られてんの、私達……」
「師匠の小さく細い体に、これほどの力が……流石です!!」

一名嬉しそうだが、気にしたら負けな気がする。
もっぴー達と合流して、のんびりとショッピング。
きゃーきゃー騒いでいる皆さんには悪いが、飽きました。
黒いセパレート水着を手に取ってみる。
背後にいる人物に、感想を聞くことにした。

「似合いますか?」
「え?あ、あぁ……黒より白の方がいいんじゃないか?というか、その水着よりこっちのワンピースの方がいいと思うぞ」
「ふむ……似合いますかね?」

鏡に向かって、1君の言っていた水着を自身に合わせてみる。
こういうのは、基本的にお任せなので自分では分からないです。

「あぁ、可愛いぞ」
「そうですか。では、折角なのでこれにしましょうか。そう言えば、ラフラさんにはどんな水着が似合うと思いますか?」
「え?なんでいきなりラウラ?」
「いえ、学園指定の水着を一人で着て来そうなので、なにか水着でも勧めてみようかと思いまして」
「ありそうだな〜じゃあ、やっぱここら辺かな?」

私と御揃いのワンピース水着の黒を差し出してくる。
何故これなのでしょうか?

「いや〜ユラと御揃いの方がラウラも喜ぶかな〜と思って」
「そうですか」

というわけで、後ろに隠れていたララさんに水着を買わせた。
とても嬉しそうです。
百合というやつですかね?
まあ、私もですが。


◇◇◇◇◇


そんなこんなで、臨海学校が始まる。
この時の私達は、あんなことになるとは思いもしなかった。

そんなことより、のほほんさんの水着……とても楽しみです。

-16-
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