第四話
「憎悪を込めて、ファックユー」
「普通に死ねって言えば良いじゃん!」
「そうか、なら死ね」
「随分と素直だな!」
私のピーナッツバタータイムを邪魔したんです。
八つ裂きにして、踏み潰して、燃やして、穴を開けて、引き千切って、穴に埋めて、ミサイルでもぶっ放して、粉々にしたいです。
父曰く『気に入らない男がいたなら、踏み潰せ!!それで、あの〜奥さん?何故私は、縛られているのでしょうか?……無言で足を振り上げないでぇぇぇぇぇ!!!!!』だそうです。
何を踏み潰せば良いのか分かりませんが、父と同じ様にすればいいでしょう。
「……今、凄い悪寒が」
てか、何時までピットにいなきゃいけないんですか。
お腹空きました。
何かないかな何かないかな。
む、リンゴが出てきました。
「はむはむ、うまうま」
「……ふぅ」(ユラは機嫌が直ったみたいだな……箒、どうしようか?)
「……むぅ」(これからは、食べ物でも携帯しようか。それにしても、何故ユラも一緒なんだ……いや、ユラが悪くないのは分かってる。悪いのは、一夏だ……それでも、二人っきりがいいんだがな)
リンゴを食べたら、少しお腹が膨れました。
さて、アイリーン・ファルゼスさんのISの説明でもしてあげますか。
……名前、原形を留めてない気がします。
「いったん、相手のISの情報を教えてあげます。IS名ブルーティアーズ。特殊レーザーライフル【スターライトMk?】と、自立型主要兵器【ブルーティアーズ】を主要武器とした中距離射撃型です。一応、格闘武器の【インターセプター】を持っております。まあ、気にせず突っ込んでください。今更、近距離武器以外なんて使えないでしょう?とにかく、ゼロ距離まで持っていったら離されないで下さい。以上です」
「なるほど!当たって砕けろって事だな!」
「……砕けてどうする」
ふぅ、喋り疲れました。
飲み物飲み物。
……流石に無いですね。
む、なっつーのスポーツドリンクで良いですか。
奪い取って飲む。
「おいおい」
「あ……」
喉が潤います。
何故か固まっている新條歌澄(しんじょうかすみ)。
そして、登場山田先生。
さて、ISでも見て帰りますか。
◇◇◇◇◇
「これが織斑君専用IS、【白式】です!」
白いIS、以上。
他に言う事ありませんね。
「では、私は帰ります。まあ、頑張ってください」
「どうせなら、最後まで見てってくれよ……」
「やることもありますから、これで失礼します」
折角なので、ISのハイパーセンサーなら聞き取れるぐらいの声量で、呟く。
「最後まで、諦めなければ何とかなりますよ」
呼び止められる前に、ピットから出て行く。
どこまで、頑張れますかね?
◇◇◇◇◇
一夏は、ISを纏って空へ飛び立つ。
そして、セシリア・オルコットのブルーティアーズと向き合う。
「やっと来ましたの?待ち草臥れましたわ」
「悪い悪い。さ〜て、やりますか?」
「そうですわね……それじゃあ、正々堂々―――」
「最初から最後まで全力で―――」
『それでは、始めて下さい!』
「「勝負!!」」
今、全力の戦いが始まった。
◇◇◇◇◇
自室にて、アリーナのカメラをハッキングして、のんびり観戦。
いーさん、意外にも良い動きしてますね。
でも、その動き方だと……あ、ミサイル食らった。
おぉ〜初期設定であそこまでやってたんですか……それにしても、一次移行(ファースト・フェイズ)は白さに磨きがかかりましたね。
さっきまでの調子だったら、勝てたかもしれませんが……負けですね。
さて、おやつにアップルパイでも作りましょうかね。
◇◇◇◇◇
真の姿を現した白式。
一夏は、小さく笑い、呟く。
「俺は、最高の家族と友人を持てた」
「家族……一つ聞きますわ。その友人の中には、わたくしも?」
「当たり前だろ?それに、優しくて、のんびりしてて、いつも何か食べてる、最高の友人に応援されててな……簡単には、負けないぜ!」
「フフ、いいでしょう!次で、終わらせますわ!!」
互いに、武器を構える。
「うぉぉぉぉぉ!!!」
「ハァ!!」
『試合終了』
◇◇◇◇◇
「では、一年一組代表は織斑一夏君に決定です!あ、一繋がりでいい感じですね!」
山田先生が嬉々として喋っている。
おいたんは、思考が追いついていないようだ。
とりあえず、裂けるチーズを咥えさせる。
「生きてますか?」
「んむ……あ〜生きてる。なあ、なんで俺がクラス代表なんだ?」
確かに謎ですね。
あんだけカッコつけて、自滅ですからね。
要練習が必要ですね。
「それは、わたくしがクラス代表を辞退したからですわ!!」
「それは良かったです。理由が分かって良かったですね」
「そうか……でも、なんで辞退したんだ?」
「やはり、ISは実戦でこそ実力を伸ばせると思い至りました。ですので、一夏さんにはもっと実戦を経験してもらおうと思いましたの。クラス代表なら、実戦には事欠きませんでしょう?」
毎回毎回、良くそんなに長く話せますね?
御喋り、好きなんですか?
「そこで!ISの特訓を一緒にしませんか?もちろん、ユラさんと箒さんもご一緒にどうです?」
「お、いいなそれ!俺は賛成だな!」
「ふむ……まあ、いいだろう。専用機持ちだしな」
「一時的にISが無くなります」
送っちゃうんですよ。
なにより、めんどくさいです。
ホットドックうまうま。
「ユラには、勉強だけでも随分助けてもらってるしな……お菓子やるから」
お、お菓子?
行くだけで、お菓子が……
「あぁ、ユラの教え方はよく分かる……和食なら作れるぞ」
わ、和食?
自分で、夕食を作らなくても良い……
「のんびり観戦して、反省点などを言って頂ければ……飲み物は用意します」
セルティッシュさんの入れてくれるお茶……美味しいんですよね〜
「仕方がありませんね〜一緒に特訓でも何でもしましょう」
「「「よし!」」」
……ハッ!涎が!
「……お前ら、少し黙れ」
ドンッ!!
「グォォォォォ……」
「う……」
「くぅ……」
出席簿でそんな音……出るんですね。
……せめて、これを食べてから。
「ダメだ」
ドパァンッ!!