小説『IS〜ただ一発の魔弾として〜』
作者:ディアズ・R()

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第六話





キュウリを齧りながら、部屋を出る。
目の前に、織村先生が現れた。

「……早いな」
「寝不足、寝坊、暇だった。さぁ、どれでしょう」
「暇なら手伝え」

首根っこを掴まれ、引き摺られる。
ドナドナド〜ナ〜


◇◇◇◇◇


前が、見えないです。
両手で教材の入ったダンボールを持って、フラフラと歩く。
教師に虐待されてますよ。

「虐待じゃない。暇人の有効活用だ」

それじゃあ、しょうがないか。
……あれ?騙されてない?
というより、心の声を聞かれた?
やっとの思いで着いた教室の入り口に、謎の女生徒が陣取っていた。

「ん?アイツは、確か……」
「腕が……」

女生徒を気にする余裕は、私にはありません。
腕が痛くて、限界なんです。

「おい」
「何よ!!」

怒り心頭と言った表情で振り向いた女生徒は織村先生の顔を見た瞬間、恐怖の表情になった。
と言う訳で、織村先生にハリセン(ブラスチック版)を渡す。
どうやって渡したかは、秘密で。

パカァンッ!!

「イッ!!」
「さっさと教室に戻れ。HRが始まる時間だ」
「は、はい……一夏!後でまた来るからね!」

その捨て台詞と共に、教室に向かう女生徒。
目が合い、女生徒が止まる。

「アンタ、昨日の……」
「早く戻れ」
「は、はい!」

何か言おうとしていた様だが、彼女にあった記憶が無いので気のせいだと思うことにした。
ちなみに、HR中にハーゲンダッツ(ラムネ味)を食べた。
とても美味しかった。
織村先生も、今回は黙認してくれた。
いやはや、苦労した後は基本的に報われるんですね〜


◇◇◇◇◇


「ユラ、一緒に飯食いに行こうぜ」

オッ君が、彗星さんとディセイバーさんを連れて食事に誘ってきた。
今日は……ラーメンを食べたいです。
あと、からあげと餃子と半チャーハンとデザートにパフェですかね?

「涎垂れてるぞ?」
「む、速く行きましょう!お腹空きました!」
「はいはい」

この感じ……空腹ですね!
早く食べたい……むむ、なんですかあの邪魔な女生徒は……食券が買えないじゃないですか!

「やっと来たわね、一夏!」
「鈴、待ってたのか?後、邪魔だぞ」
「う、うるさいわね!わかってるわよ!」

やっと買え……ラーメンが、売り切れ、だと!?
……あの女生徒、ラーメン持ってましたよね?
くぅ……先を越された!

「はぁ〜もう、Aセットでいいですかね」

やる気、出ないわ〜
ダラダラと料理を受け取り、適当な隅の席に座る。
いっか君が、何故か私の隣に座る。
その隣に、謎のツインテール女生徒。
私の向かいの席に、レセリアリリティスさん。
その隣、つまり、イッカクンの向かいの席に楠さん。
まあ、席なんてどうでもいいですけど。
今回頼んだAセットは、ご飯、味噌汁、鮭、漬物、サラダ、からあげ、サータアンダギーだ。
……何故、サータアンダギー?
でも、美味しいから良いか。
もきゅもきゅと、サータアンダギーを食べていたらなにやら話が進んでいた。

「ふ〜ん……そうだ、ソッチのは?」
「ん?ユラの事か?」
「私が、どうかしました?」

無駄技術の一つ、食べながら普通に喋るを使いながら、会話に参加する。
口は未だにもきゅもきゅしているが、そんなの関係無いとばかりに喋る。
舌が疲れますが、便利ですよ?

「普通に、喋っていますわね……」
「……そう、だな」

向かいの二人から、驚愕とも呆れともつかない呟きと視線を無視して、そのまま会話する。
ちなみに、隣二名は丁度食べていた時だったので、見ていない。

「一夏、アンタさ……そのユラって言うのと、どんな関係?」
「ん〜クラスメイト兼勉強の先生兼料理の師匠(?)兼相談し易くて、良く食べる女の子、つまりただのクラスメイトかな?」
「……何、それ?」

向かい二人が、おーちゃんの言葉に頷いている。
まあ、クラスメイトは当然として、勉強は、まあ、私がやっている所なら教えていますね。
料理は、何故か良く食べに来ては、どうやって作るのかを聞いていましたね。
相談?まあ、いろいろと。
食べるのは、お腹が空くからです。
うむ、よくわからないです。
漬物を齧る。

「そうなんだ……なら、昨日押し倒してたのは?」
「「え!?」」
「押し倒す?……あ」

私は味噌汁を啜りながら、一言。

「そう言えばあの時、なんで押し倒されたんでしたっけ?」
「一夏!」
「一夏さん!」
「い、いや!あれは!」

昨日の出来事を思い出す。


〜思い出し中〜


「なぁ、それ美味しいか?」

一条君が、私の手にある物を指差しながら、聞いてくる。
私の手にある物。
それは、【インフィニット・エネルギー!大空に羽ばたく翼の味〜炭酸かもよ?〜】だ。
数少ない、男子トイレの近くの自販機にあったから、買った。
特に意味は無い。

「まあまあ逝けます」
「へ〜今度俺も買ってみようかな」
「いい感じに逝けると思いますよ?」
「……なんだろうな、凄いヤバイ感じがする」

そのまま教室に向けて移動してたら、こけた。
二人同時に。
何故か私が下になっていて、重かった。

「むぎゅ」
「わ、悪い!」


〜思い出した後〜


あぁ、そう言えばそんな感じでしたね。
どうでもいいことだから、忘れてました。

「―――と言う訳だ」
「……そうか」
「そうですか……」

あからさまに、ホッとしてますね。
まあ、二人とも一刻君にホの字ですからね。
相談されました。
私、恋愛自体した事ありませんよ?

「なんだ、それだけだったんだ………良かった」

小声で言ったつもりでしょうが、普通に聞こえました。
何が良かったのかわかりませんが、無視しましょう。
名前も知りませんし。
いや、言っていた気がします。
サータアンダギーを食べるのに夢中になっていた時ですね。
確か……ファンファン?

「なんか今、物凄い間違い方をされた気がするわ」

さて、ご飯も食べたし、教室に戻って授業の準備でもしましょうかね。

「先に行きますね」
「もう食べ終わったのか?あぁ、後でな」

そのまま、教室に向かう。
だが、授業中におったんが「いきなり怒鳴られたんだが、何でだと思う?」と聞いてきた。
適当に、答えときましょう。

「なにか忘れてるんじゃないですか?昔の約束とか、名前とか」
「なるほどな……ちなみに、名前は分かるぞ?」

とりあえず、一緒にアメリカンドックを食べていた。

パパァン!!

一緒に叩かれた。
とても、痛いです。

-7-
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