小説『IS〜ただ一発の魔弾として〜』
作者:ディアズ・R()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第七話





「泊めて♪」

何も言わずに、扉を閉める。
鍵とチェーンを素早くかける。
私は、何も見なかった。
うん……私は、何も見ていない。
さて、そろそろ寝ますか。

バキャッ!!

部屋の入り口から、破砕音。
恐る恐る振り返ってみると……見事に、扉が破壊されていた。

「と・め・て♪」

とても、良い笑顔で言われました。
どうして、こうなった……


◇◇◇◇◇


「ユラ、眠そうだな?なんか、食べるか?」
「……いらないです」

目の下に隈を作って、教室の机に突っ伏す。
ベットが一つしかないので、トントンさんが、一緒のベット寝てきた。
確かに、ダブルベットですけど……知らない人がいると、緊張してしまって。

「ユラが、食べるのを拒否、だと!?ユラ!保健室に!保健室に行こう!!いや!病院だ!すぐに救急車を!」
「……アナタは、私をなんだと思ってるのですか?」

失礼極まりないおっちーの発言をスルーして、考える。
どうすれば、追い出せるか。
あのリャンリャンがいる限り、ピーナッツクリームタイムが無いんですよ!
食パンに、マーガリンを塗られてしまい、ピーナッツクリームが塗れないんです!!
なんとしても、部屋から追い出さなくては……だけど、どうすれば……あ。

「おりりむら君」
「りが一個多いぞ。なんだ?」
「シャンさんは、アナタの幼馴染でしたよね?」
「シャン?あぁ、鈴の事か。そうだけど、それがどうした?」

なるほど。
つまり、リリリンさんが私の部屋に来たのは、おりゃむり君のせいだと言う事ですね。
何があったか知りませんが、二人が仲直りすれば、私の平穏カムバック!
これでカツル!!

「喧嘩しているなら、今すぐ仲直りしなさい!」
「え?いや、その、こっちも退けないと言うか、なんと言うか。あれだ。もう少し待ってくれ。俺も、なんでこんな事になってるのか、わかってないんだよ。でも、クラス対抗戦でリンと戦って、仲直りする予定だ」

そ、そんな……クラス対抗戦まで、一緒?
神は、死んだ!!
おりむりら君に、縋り付く様に抱きつく。

「ホント、勘弁して下さい」
「い、いきなりどうした!?ちょ!?なんで箒は、真剣を持ってるのかな!?セシリアは、ISを展開するな!誰か助けてくれ!!」

どうしたら、私は……
クラスが混沌と化しているのに気付かずに、これからどうするか考えていた。
おーむら君に、抱きつきながら。
織斑先生が来るまで、暴走していた。
名前は、その時覚えました。
部屋に、行きたくないです。


◇◇◇◇◇


「帰ってください」
「い・や」
「お願いします。帰ってください」
「絶対、い・や」
「……か―――」
「いやったらいや」

私には、追い出せませんでした。
もう、諦めてしまおうと思い始めたころ、竜さんが話しかけてくる。

「ねぇ、アンタってさ……一夏と仲良いの?」
「はい?」
「だから!一夏と仲良いのかって聞いてるの!!」

いきなり大声を出すから、ビックリしました。
いーの君と仲が良いか?
う〜む……クラスの中では、良い方ではないですかね?
隣ですし。
でも、何かが違う気がするんですよ。

「まあ、普通ですかね?」
「普通って……まあ、いいわ。少し、私の話聞いてくれる?」

時間ならありますし、いいですかね?
それで、出て行ってくれれば、儲けモノです。

「昔はさ、楽しかったんだ。別に、今が楽しくないって、言ってるわけじゃなくてね。なんて言えばいいのかな……物足りないのかもしんない。アンタはさ……昔の方が、充実してたとか、無い?」

……予想以上に、面倒な話でした。
少し考え、自身の答えを言う。

「昔に戻れるなら、戻りたいですね」
「そっか……」
「でも、今の状態を捨てるつもりはありません」
「え?」

驚いてるのか、驚愕してるのか、よくわからない顔をしているミャオさん。
とにかく、そのまま言葉を続ける。

「昔の方が良い。そんなのは、当たり前だと思います。だからと言って、何時までも過去を振り返っていては、前を見れないではないですか。私は、そんなの嫌です。どれだけ辛い未来だろうと、どれだけ苦しい今だろうと、私は、前に進みたいです。過去は、所詮過去です。今を覆い隠し、未来を消す様な過去など、無い方が良い。それが、私の今の考えです。何を迷っているのか知りませんが、この答えは、私のモノです。貴女には、貴女の答えがある筈ですよ」

喋りすぎましたね。
喉が渇いたので、アップルジュースを飲む。
一ml未開封を。

「……そうだよね。うん。そうよ!ありがとう!確か、ユラだったわよね?参考になったわ!」
「では、出て行ってくれるんですか!」
「それはいや♪」
「くぅ……」
「しょうがないわね〜明日の朝帰るわ。代わりに、今日はここで寝る」

今日我慢すれば、この空間は私のモノ!
……なにか、騙されてる様な気がします。

「よ〜し。クラス対抗戦で、ハッキリさせてやるわ!!寝るわよ!ユラ!!」
「え?まだ、夕食食べてないですよ?」
「じゃあ、チャーハン作ってあげる!酢豚も一緒にどう?」
「むむむ……よろしくお願いします!」

作って貰ったご飯を一緒に食べた。
とても、美味しいです。

「ユラ〜勉強教え、なんで鈴がここに!?」
「私がどこにいようとアンタには関係無いでしょ!!」
「確かに!!」
「納得しちゃうの!?」
「はむはむ」

そしてクラス対抗戦が、始まる。

-8-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




なのこれシリーズ IS (インフィニット・ストラトス) コレクションフィギュア VOL.2 BOX
新品 \2660
中古 \
(参考価格:\5040)