小説『ゼツボウロジック 〜西園寺日寄子の場合〜』
作者:かりべ?()

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――某日、希望ヶ峰学園本科1年教室にて――


「ねぇねぇさくらちゃん聞いた? 2年生に予備学科に異動させられちゃった人がいるんだって!」
「ああ、先ほど舞園から聞いたな。どうやら噂ではなく真実のようだ」
「うわーそれはありえねーべ。なにかよっぽどのことやらかしたんだろうな」
「ダブりにダブっているあなたには言われたくありませんわね……」
「ふーん、なかなか面白そうな話してるじゃない。私も混ぜてよー」
「あ、盾子ちゃん! 実はね……」
「な……そんな……なんて絶望的なのかしら! 予備学科なんて金を落とすだけの一般人クラスに落とされるなんて! 超高校級の才能を持っている私達にとってそれはとんでもない絶望よ!」
「な、なんかずいぶんうらやましそうだね……」
「江ノ島っちはたまにこうやっておかしくなるんだべ……」
「それにしても……妙ですわね……」
「セレスよ。なにが妙なのだ?」
「いえ、わたくし達の才能というのは生まれつきであることが多いですから……葉隠くんと同じ意見というのはとても癪ですが、確かによほどのことをやらかさない限り予備学科に落ちるというのはありえないですから」
「これは……絶望の匂いがぷんぷんするわね……」
「え? 盾子ちゃんなにか言った?」
「なにも言ってないよぉ〜? それより〜こういうことは超高校級の探偵さんに調べてもらったらいいんじゃな〜い?」
「なるほど霧切さんですか……それは確かにいい考えですわね」
「でもあんまり人のプライベート探るのは良くないんじゃ……」
「朝比奈っちは心配性だべ。本科から予備学科に落ちたってことは俺らにもそうなる可能性があるってことじゃねーか。そうならないよう理由を知っておいて損はないべ!」
「あなたにしてはまともな意見ですわね。大神さんも納得していただけるかしら?」
「我は朝比奈の意見を尊重しよう」
「うーん、まあでも霧切ちゃんなら必要な情報だけで弱みをにぎるようなことまで探らないよね……」
「決まりね! いったいどんなぜつぼ……じゃなくて真実が隠されているのかしら! 今からよだれが止まらないわよ!」
「江ノ島っちがイキイキしてるべ……」
「う、うん。なんだかちょっと怖いね……」

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