もうすぐクラスのアイドル、川合さんの誕生日。何でわかるのかって?高飛車なところがまた良いという非公認ファンクラブが一部のファンの中で水面下で動いているからだったりする。いつ見ても素敵な彼女にクソ虫君は淡い恋心を抱いていた。
(今年は見ているだけは嫌だ……イヤホンで強気モードアタックするか)
自分の変な性格を有効活用して一大決心のように川合さんに質問する。可能なことなら何でもする覚悟だ。
「川合ィ!! お前、今何か欲しい物あるか!!」
購入可能な物か聞かれなかったからか、彼に興味がなかったからかわからないが川合さんは無理難題を応える。
「ラスベガス」
それを聞いた瞬間、クソ虫君はイヤホンから聞こえてくる罵声に一気に怯えることになった。
『身の程知らずがー!!』
「すいませんでした――――――!!」
川合さんから見下された視線(思い込み)や級友達から冷たい目線を浴びせられてクソ虫君は震えが止まらない。
「俺はどうしようもなくクソ虫ですぅ」
クソ虫君が勇気を出したのに結果はこれだ。彼の想いが伝わることはあるのだろうか?