そしてゴールのリングに当たった。高崎くんがまだシュートを打った姿勢から動いていないのと同じく、ボールがまさかのリングの間にはさまっている瞬間を目にする。
「ど…………どっちなの? コレ」
高崎くん的には、はずしたという扱いらしく、ヒザをついてがっくりしていた。
「は……はずしたぁぁ……」
そんな高崎くんの姿に私は、私を大切にしてくれそうな彼を応援したくなる。
(そ……そこまで私のこと……)
私はOKするつもりで高崎くんに言う。
「は……はずれちゃったけど……いいよ。付き合ってあげても……」
高崎くんとしては入らなかった時点で気になるあの子の未練を断ち切ろうと走り去ろうとしていた。
「ごめん。俺のことは忘れてくれ!!」
「えぇーーーー!? 高崎くん?」
「君にはもっとふさわしい人がいるよ! シュートをはずさないような」
そんな高崎くんに私が異論をはさむのだが
「ちょっとぉー、何で私がふられたチックになってんのよぉー!!」
「君のことは決して忘れない!!」
彼が話を聞いてくれる様子はもうない。
「ねーー!!」
やっぱり今日も約束は死んでも守るとても律儀な高崎くんなのでした……。