小説『数ページ 読みきりもの』
作者:下宮 夜新()

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 木曜子が嬉しそうな表情で気づいたことを話した。
「えっ、てコトはあなたはもしやあの掲示板にいる名もなきスパイ氏?」
「ここで出会うな!」
「記念に握手を」
「求めるな!!」
 逃げ去っていく鷹上を追いかける管理課・課長。理由はどうあれ、木曜子も後に続く。三階から二階に続く階段の踊り場近くで鷹上の姿を確認した。木曜子がエレベーターで降りてきたので管理課・課長は「お前!、階段で来いよ!!」と怒ったのは当然だろう。そんなことをいつまでも根に持とうとしてもしょうがないので諦める。 追跡は会社の外から曲がり角を二〜三回通過したところで捕らえることができそうである。
「待てーーーー!!」

 商店街の道で手品などで良く流れる曲を耳にしたと思っていたら「マジック・ショー」が開かれていた。スパイがマジックの扉に入り込んだ

 課長・木曜子「「あ」」
「えっ」
 マジック・ショー主催者が黙って扉を閉める。
「…………」
 主催者が扉を開けた時、スパイの姿は消えていた。
「課長、あれうちのパパ
「……あの消したっきり出さないことで有名なか……」
「そう。これでスパイも秘密も闇の中!」
「えええええええ!?」
 このマジック・ショーの助手的役割をした(させられた)人は数日間の記憶を失っているとかいないとか。


※後日イラスト掲載予定

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