「ふゃ〜、夢魔さんって男の子なんだ…」
さっき男の子だと紹介されたけどそうは思えない。私より女らしいんだもの。
「心は女の子だから仲良くしてね夢魔のムーちゃんとでも呼んで」
私は夢魔ちゃんに学校案内をしてもらっていた。ある程度時間が経って私はある場所に行きたくなる。
「あ、ココがトイレよ」
夢魔ちゃんが指を指して教えてくれた。
「ちょうど良かった。私トイレ行き……もれもれー、なんちゃって」
すっかり夢魔ちゃんと打ち解けた感じになった私。軽い冗談を言いながら入ろうとした私は『男子トイレ』だと気づく。
「ロープっ、ロープゥゥ!!」
私も女の子としてこの場所は入ってはいけないと思っている。むしろ入りたいとも思わないよね、普通。夢魔ちゃんが力をいれて抑えつけようとしているが意地でも離れたい。
「入っちゃえばドコも一緒だよ」
結局夢魔ちゃんの力に敵わなかった私。男子トイレ内に関わらず肩を震わせて涙を少し流しかける。
「うぇーん、もうお嫁に行けない」
夢魔ちゃんは本当に嬉しそうな表情だった。
「うれしかったよ……………」
夢魔ちゃんが照れ笑いでバラーに告白する。
「私ね、女の子のお友達と一緒におトイレ行くのが夢だったの。だからアリガト!」
夢魔ちゃんが女の子なら問題なかったのだが、場所の件もあってか赤面した。
「夢魔ちゃん…」
そしてトイレから出てきた時には、ミイラ男・吸血鬼・鳥人・ゾンビ・堕天使らしき男子生徒達がトイレに入るに入れないでいる。
「私……何か夢魔ちゃんしか友達ができないかもだよ・・・」
「何で?」
夢魔ちゃんがきょとんとしながら訊き返してきた。