『橋爪さんと死ねば良かったさん』
バイト帰り――――俺、橋爪剛は突然目の前に現れた女に驚き、バイクのブレーキを踏んだ。急カーブ近くでふらふらとしていたので注意ぐらいするつもりで女を探す。
「!!」
しかし辺りを見回しても女の姿はなく…バイクは急カーブ寸前で止まっていた。夜道は暗いので可能性としてガードレールにぶつかっていたかもしれない。(あの女は幽霊でもしかして俺を助けてくれたのか)そう思ったその時――
「死ねばよかったのに……」
「……?!」
俺は先程の謎の声に反応して頭の中で一つの解を出す。死ねばよかった→でも助けてくれた?→つまり……
「ツンデレ……か! ありがとう!!」
姿は見えていないはずだがたまたま同じ方向をみてお礼を言われたので幽霊さん(死ねばよかったさん)はとてもビックリしてしまった。
「はっ? なに? ツンデ……!? はあ!?」
顔を赤くして、動揺している幽霊ちゃんは俺的に可愛かった。 彼女の近くにヒトダマが飛んでいて何か顔がついている気がするがそれは無視する。
「いいから落ちて死ね!!」
俺は見えていることをアピールするために身をかわした。
「おっと」
かわされてしまうなんて展開を予想していなかった幽霊ちゃんは目を丸くする。
「きゃああ〜〜〜〜〜〜〜〜!!?」
突き落とそうとした幽霊ちゃんが下へと落下していく。その光景にはさすがの俺も戦慄した。
「お゙お゙お゙……!?」