「あかんやろソレ! はよお祓いせんと!」
友人の代泉が青ざめた表情ながら俺に忠告してくれた。しかし俺はそんなことをする考えを持っていない。
「いや、悪い霊じゃないんだ」
昼休みになったので俺はカバンから弁当箱を取り出す。
「今日も弁当作ってくれたんだ」
「へえ?」
そう聞いた代泉が(んな有効的な霊がおるんかいっ)とツッコミを入れたそうな感じがわかった。
弁当箱を開けた彼らが見たものは、マンドラゴラみたいに奇声を上げるRPGの何かのカタマリに顔が付いた代物という表現が一番しっくり来るだろうか。
「やっぱり悪霊やないかー!!」
こういうのに弱い友人が壁際まで逃げて体を震わせている。しかし俺は「NO」と否定するだけでなく、その食べ物(!?)をほおばった。
「代泉くぅん……オカルティックな話はボクにおまかせ〜〜」
急にどこからともなく不気味な声を出されて代泉だけ立ちすくむ。俺はただ気になっただけだ。
「その声は担任の風前(ふうぜん)先生!?」
どこから語りかけられているか分からず代泉は辺りを見渡す。窓からのぞきこんでいるカーテンで体が半分くらい隠れている担任の姿はあった。
おわかりいただけただろうか
※イラスト予定
代泉がそれに気づいて恐怖心が増大する。
「心霊写真風〜〜☆」
前髪で前の見えづらい担任の先生の見た目が怖いのを中和するための精一杯の茶目っ気である。
「泡、吹いてます」
俺(剛)は友人の代泉を介抱してやりながら冷静に返した。