「いや〜ゴメンね。驚かせちゃったぁ?」
一応すまなそうにしている担任に代泉は本気で心臓に悪いと叫ぶ。
「フツウに登場してクダサイッ!!」
彼は怒りと驚きで心臓の鼓動が高鳴っている。
「せやからなんて言われ……」
心を落ち着かせようとしている代泉に、担任の風前先生がどこから用意したのか釣り糸にコンニャクをつけた道具を持ってきて彼に音もなく近づいてつけようとしていた。
「おひぇ――!!」
濡れたコンニャクの生温い感触に代泉は叫び声をあげる。
「代泉君は反応いいねぇ〜」
風前先生が代泉の反応で楽しんでいる。
「脈ありません」
代泉の様子を見た俺(剛)が調べたままを報告する。彼の苦手な恐怖体験のせいか一時的に心停止状態になっている感じだった。
「で? なに? 女の子の幽霊? いいねぇ、青春だネ〜♪」
俺と代泉で話していた話題に風前先生がのってきた。見た目通りというか何というか霊について話そうとしている今はイキイキしている。気を失っていた代泉を座らせて落ち着くまで待っているころ、(……青春?)と思う。
「まぁ、初恋は砕け散るものだしね☆で?その幽霊を退治したいの?」
「初恋じゃないですし、退治しなくてもいいです」
どういう訳か嬉しそう感もある風前先生に、聞かれたことに俺は必要ないと拒否した。
「そんな君に霊的なモノはとにかく昇天♪ 魔除けのお札〜」
「いや、ですから追い出したいワケでは」
風前先生が胸ポケットからお札を取り出した。当然俺はいらないのでやんわりと断る。
「ふぅ……っ!」
胸ポケットから出したお札の神秘的パワーに理由は不明だが風前先生が立ちくらみを起こす。
「先生(アンタ)も!?」
さすがにこの先生の行動は復活した代泉にとってツッコミを打たずにいられなかった。