「大体やなぁ、幽霊なんて非科学的なもんが……」
「あっ、今日は迎えに来てる」
窓の外を指さした俺、代泉にも見えているということは彼女がそうしているのか下手すれば怨霊化が進んでしまっているのかもしれない。
「うぇええ〜〜!?」
窓の外から幽霊ちゃんがのぞいている。
「あ……今、お前の肩に……」
俺の友人、代泉が気配を察して泣き叫んだ。
「ひいぎゃああ――〜!!」
泣き叫ぶ代泉に俺は忠告してあげた。
「さわぐと珍しがってソバに……」
俺の予想通り、幽霊ちゃんがなになに? といった感じで代泉に興味を持って近づいてくる。
「あばばばばばば!!!」
俺は人が極限まで怖い体験をすると、寿命が縮むという噂に事実だとすれば友人の怖がりようでどれだけ寿命が縮んだんだって思う。
「幽霊を怖がらせるとはやるな……!」
「もう気絶してるヨ☆」
風前先生が代泉の顔色が青白くなっていっているのを確認してから俺に伝えてきた。
橋爪剛の部屋の下は大谷さんの住んでいる部屋であった。最近幽霊ちゃんがいるせいか大家さんの部屋まで物音が響いてしまっているようだ。築年数がある程度終わっているからか天井から細かい破片が落ちる。
(また二〇三号室の橋爪さんか……)
部屋を貸している住人に迷惑をかけられたら注意をされて当然であることを知らせるためにもと、大家さんが剛の部屋をノックした。
「ちょっと橋爪さん!? もう少し静かにしてもらえんかね!?」
それに対応しようとドアを開けたのが怨霊化がすすんで(?)霊感のない人にも見えるようになっている幽霊ちゃんである。
「すいません。同居人が怒ってラップ音を……ってアレ?」
どうやら何かで意見の対立をしたみたいな剛と彼女。幽霊ちゃんの不気味な表情を見た大家さんは腰を抜かしてしまっていた。