「僕の腕が未熟なばかりに…後、前に笑っちゃったことを改めて謝罪するよ」
アールが丁寧に頭を下げると、ノリちゃんが笑って許してくれた。
「いいよ、もう気にしないで。私、この帽子のデザイン気に入っちゃった」
何の鳥だかノリちゃんにはわかりませんでしたが、小鳥がノリちゃんのかぶっている帽子に止まり木の感覚で降りてきました。
彼女は少しだけビックリしましたがそれよりも嬉しい気持ちがこみ上げてきている。ノリちゃんはほんの少しでも小鳥に帽子を持っていかれる心配を感じたが、でも帽子越しに感じる小鳥の感覚に彼女は自然と笑みがこぼれた。
(ノリちゃん嬉しそうだな、良かった)
やはりお客さんの笑顔が何より嬉しいアールだった。
村の外れに小さな帽子屋さんがありました。夏が近いのか緑が映えているようだ。その緑の木が目印である。そこにはちょっと不思議な帽子を作ると噂が立ち始めた男の子が住んでいます。
(どんな帽子ならお客さんを笑顔に出来るかな〜?)
この帽子屋の男の子はお客さんを喜ばせることをモットーに決めたようである。
しかしまだ失敗も多く、村の人を驚かせてしまうことも多い。
「わ〜〜〜〜〜!!すごい音」
今日は買い物の帰りに村の外れのこの店を見に来たノリちゃん。帽子屋の男の子のことを応援しに来ているようだ。ちなみに爆発音に似た音の原因はビックリ箱ならぬビックリ帽子だったりする。