「ユニコーンの森じゃなかったんだね、そっくりだったな。楽しかった〜」
街から街へ移動している時は人通りの少ない道を通ってユニコーン姿のイナールにまたがって乗っているサーナ。イナールがのほほんとサーナの話を聞いている。
「妖精さんのクッキー、美味しい。同じ希少種族の作ったものだからイナールにもあげられるし」
一口クッキーをもらってご機嫌のイナールは黙ってサーナの話に耳を傾けていた。
「小鳥の歌声も心地よ…い!?」
人通りの少ない道は小鳥や昆虫などの鳴き声が聞こえて風流なんだよねと考えていたサーナであったが、その小鳥っぽい鳴き声は小鳥型小魔獣のピッピィーのものだったようである。彼女はピッピィが捕獲していた獲物を見て驚く。その後でサーナがイナールに助けるかどうか訊ねた。
「蛇の小魔獣さん、どうしようか・・・助けてあげない?」
ユニコーンの巫女サーナの決定事項にイナールは仕方がないという表情をする。ピッピィが自分の巣でスネクンを餌にするのを止めるために追いかけることにした。
「待てー、妖精さんのクッキーあげるから」
ユニコーンの森はなかなか見つからないが、サンとイナールはいろんな出会いがあって楽しいとも思っている。ちなみに小魔獣スネクンはというと、妖精のクッキーと引き換えに地べたへ離され、九死に一生を得る。