「寿命縮むのは嫌だけど、じゃあ一個だけお願いしてやるよ。そうだな・・・可愛い彼女が欲しいっているのは?」
この悪魔少年が可哀想になったので悪魔の実力ならそれくらい出来るだろうと妥協した願いを叶えてもらおうとする。
「う…それには寿命が三百年必要…お前の命じゃ全然足らない」
この悪魔が無念そうにがっくりと肩を落とした。俺は「え――――――っっと思ったし、寿命をのばす願いを叶えるより、彼女を作る方が寿命を使うとかこれからの人生、女性との出会いさえないんじゃないかと思ってしまった。
「これも苦手なのかよ!」
期待に応えるためか、悪魔が俺にとってもう予想外にしていたはずのことをほっぺたを朱に染めてアピールする。
「あっ、そうだ。私が彼女になってやろう。それなら十年くらいで」
「おまえ、女だったのかよ!?」
少年にしては少し声が高いと感じたハスキー声、服装も年頃の少女の着そうなオシャレな感じじゃなかったので俺は改めて気づかされた。
「クーリングオフ」
俺は胸の位置の近くに腕を交差させて遠慮のジェスチャーを女悪魔にした。別に嫌いなタイプではないが寿命を減らしてまで叶えたい願いではない。
「はやっ」
余談だが、この後もあやとは女と判明した悪魔に小さな奇跡っぽいことを叶えてもらおうとしたが、結局何の願いも叶えられず悪魔はどこかに帰っていった。