小説『数ページ 読みきりもの』
作者:下宮 夜新()

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 ある日の帰りの会、真坂達の担任はやる気が空回ったのか教卓を叩いて間抜けな発言をする。
「突然だが明日はっ、持ち物検査をする!!」
 得意気な担任に同情しているのか、間抜けだと思っているのかは生徒それぞれだが教室が静まり返った。
「何だ、お前ら。やましい物でも持ってきているのか、黙っちゃったりしてよー」
 一人楽しそうな担任には悪いが真坂達だけでなく、クラスメイトの心境も同調しているだろう。
(言ったら意味ないよ先生!!)

 
 そんな微妙な空気の中、悪気なく、真坂が核心に迫ったことを言う。ゆかりは「何、言ってるの」という心境だ。
「先生ーっ、持ち物検査は予告したら意味がないと思うんですがー」
 それを聞いてしまったと表情に出した担任、今気づいたので焦りを隠せない。それを悟らせまいと平静を装って嘘を語る。

「何を言ってるんだ……そう、すべて計算!! 先生は君達の良心を信じているからこそあえて予告したというのに………………」
 しかしクラスが一瞬静まり返ってヒソヒソ声が聞こえ始めた中、担任の先生が怒りでごまかし出した。
「そんな親心がわからんとは何事だ! よって全員補習!!」
 “逆ギレー!?” 
担任の先生の理不尽な怒りにクラス全員の心が一つにまとまったのは言うまでもない。

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