小説『数ページ 読みきりもの』
作者:下宮 夜新()

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 聖オカルト総合高校、 この学校は当然異界(魔界)に存在しているのでカラスが不気味な声で鳴き、学校自体もボロボロな、 人ならざるものが通う異界の学校。 そこへ転校生として主人公がやってくる。
「こんにちーっ、 転校生のさとるです」
 元気いっぱいに登場した僕はさとる。テンションが高いのは初日だからというわけでもなく、 実はいつものことだったりするんだよ。

「魔族の皆さんよろしくね!」
 ゾンビや小悪魔・包帯男はこういう学校なので、随分と活発なゾンビが入学してきたなと考えて担任にさとるのことを聞く生徒もいた。
「人間なりに頑張るから!」
 僕が人間なのにこの学校に入れた理由? 人間の世界で辛いことがあったから睡眠薬を大量に飲んだ覚えがある、 その時にあった死神と思われる人(?)が関係していると思うんだ。
“人間!?”
 この学校で聞くはずない単語に人外の者達がざわついた。

「なんで人間が!?」
 ゾンビや包帯男達も元、人間だったみたいだ。しかし、生身の人間が転校してきたのはおかしな状況である。
「わしが答えよう」
 さとるが転校してきたクラスのドアを開けて、死神が入ってきた。僕はこの学校にずっといるかどうかで臨死体験で済むか、成仏するかもしれないってこの死神に言われたんだよね。

「校長!?」
 死神な校長の話を聞くために教室内が静まり返った。さとるも自分が死ぬかどうか生死がかかっているので耳を傾ける。
「魔族との交流を人間が出来るか証明するため、特例で入学を許可したのじゃ」
 死神校長が聖オカルト総合高校の生徒達に涙ながらに訴えかける。

「魔族と人間は共存できるとわしは信じておる」
 僕は死神校長の意見に賛同していると証明するため、死神校長の横から文字通り強く突っ込む(体当たり的な意味で)
「良いこと言うじゃん!」
「校長――――――!!」
 最初から死神なので骨だけ状態というのがあるとはいえ、バラバラに崩れたのには人外のモノたちにも刺激強かったみたい。

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