家事や生活費はほぼ全て(生活費については魔法星霊協会からある程度支給されているとはいえ)穂乃が負担している。
「……面目ない」
玖林は魔法少女になってから夜霊退治ばかりしてきたので洗濯くらいしか出来ない。そんな私の申し訳ない気持ちを穂乃が笑って受け流してくれている。
「いいのいいの気にしないで。好きでやってるんだから〜」
私も自活したくないわけではない、仕事の後に料理まで作ってもらうのはきついだろうと玖林は考えていた。
「私も料理くらい覚えないとね……」
「でも玖林ちゃん『料理のさしすせそ』とかわかってる?」
「そのくらい知っているわよバカにして! [さかな][シーチキン][ステーキ][背脂][ソーセージ]でしょ」
少しムッとした表情になったが私は堂堂と答える。
「常識よね!」
自信満満な様子で玖林がふんぞり返った。
(……ギャグで言っている訳じゃなさそうね……可哀想な玖林ちゃん……)