本当に無理、こういう人。
相手の反応見て楽しんで次々といろんなこと言って…
デリカシーがなさすぎる。
…いいから、一人にさせてよ。
人の死に様なんて見たくないでしょ。
あたしだったら間違いなく見たくない、見ない。
一人でいたいんだよ。
そんなあたしの思いとは裏腹にあの人は手すりの下を見ていた。
「うわー 随分高いねぇ。君マジでここから自殺するわけ?」
挑発交じりの視線であたしの反応をうかがう。
返事をするのも嫌になりそうだ。
「だったらこんなとこにいませんから」
「そりゃそうだ。でも俺だったらこんなとこでこーんな目立つ場所で死のうなんて考え付かないなぁ」
何を言いたいのだろう。
「…どこで死のうがあたしの勝手でしょ」
「あぁ勝手さ。今からユーターンして学校へ登校するか、望みどおりに命を絶つかも君の自由。でも俺が思うに、君にそんな勇気が備わってるとは思えないけど。」
不敵な笑みを浮かべ、あざ笑うかのように言い放たれた言葉。
無性に身体中が熱くなった。
激しく憤りを感じたのは言うまでもない。
「君は絶対に死ねない」