小説『君が死んだ日【完】1000hit達成!!』
作者:ハル()

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でも、わかってる。
あたしのしたことは他人から見れば卑怯の二文字で表わせてしまうくらいのこと。
話すということへの抵抗は少なくない。

わかってるわかってる。
あたしがしたことは卑怯なことで、それを話す覚悟と抵抗は同じくらいの量。
それでもいつか向き合わなければいけないことだってのもわかってる。


ずっと、見ないでいたのかもしれない。
この数ヶ月の間のなかでいろんなことがあった。矢木矢さんと出会って幸也さんとアリスさんの関係を知って、お姉ちゃんは必死に病と戦っててそれを陰ながら支えてた小野さん。
そして矢木矢さんの過去を知った。


今ならこの人を信じて話せるかもしれない。

そんな希望をちらつかせて矢木矢さんに眼差しを送る。



「矢木矢さん、あなたを信じますから、あたしは隠していた過去を話します」







さあ、閉じていたものを開こうか。

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