小説『君が死んだ日【完】1000hit達成!!』
作者:ハル()

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時は進み、咲とあたしは高2になった。
先輩になって少し生活が大変になったけどその時はまだ楽しかった。
クラス替えもしたためガラッとクラスメートの雰囲気も変わった。オシャレに気を遣う子や気が強めな子が多いという印象。


「女子で委員長やりたい奴いるかー?」

先生の言葉のあとには手は上がらない。
みんな委員長なんてやりたくないんだろう。

「あ、やりたいです」

そっと手を上げたのは咲だった。
教室が一瞬どよめく。
咲すごいよ注目の的だよ!
先生は安心したようで笑顔で「寺田、頼むぞ」と咲に言った。
ニコリといつもの笑顔で咲は頼りにされてることが嬉しそう。

「じゃあ、係も決まったわけだし。帰るぞー」

授業が一旦終わってみんな「つっかれたー」といった様子で帰る支度を始めた。

(帰りの号令の前に一応トイレ行っとこ)

急いで教室を出た。
自分のクラスからトイレは妙に遠いいから。
やだなーなんで遠いんだろとか思いながらトイレに入った。
それにあんまり綺麗じゃないトイレ・・・。

そのすぐあとに数人の女子がトイレに入ってきた。
誰だろ?と思って耳を澄ましてみると同じクラスの気が強めの女の子達だった。


「・・・思う?」

「マジ・・・」

「ね・・・」

ぜんぜん聞こえない。
でもこの声はクラスで目立ってる3人の声。

「てら・・・だよね」

てら?
扉の方に耳をもっと近づけた。

「・・・・・・終わってるし」

「絶対・・・センコーに好かれようとしてやってるっぽ」

「言えてる〜」

「あんなのが委員長とかうちらのクラス終わったんですけどー」

委員長・・・。

「寺田ウザッキモッ!」





「ないないムリー」

「とりま今は戻ろ。時間もうすぐじゃん」

彼女たちはバタバタと廊下を走っていった。
あたしも彼女たちが言ったあとにいそいで走ってなんとか間に合った。
焦った。


それよりも頭の中でループし続ける言葉。

『寺田ウザッキモッ!』

どうしようもなくあの時はどうこうこうなるなんて予測はつかなかった。
ただ、それだけのこと。
小さな水たまりが出来てしまったこと。

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