―姉と妹―
窓辺に腰を掛けて今日を、少しずつ思い出す。
女たらしな幸也さん、強い心を持ったアリスさん。
―――――そして矢木矢さんの涙
いろいろありすぎてその記憶がかすんだりはっきりする。
今日会った2人の顔が頭を通り過ぎた。
綺麗な、顔。
大人はそんなに駆け引きが好きなのかな…
わからない。わからないよ。
そんな感情、あたしにはよく。
だってそんな事ずっとやってたら、疲れちゃうでしょ?
ピーーっ
「はい、もしもし…」
『もしもし?』
「っ!」
びっくりした。自分の姉の声が携帯から聞こえる。
えっ 今、入院中だよね。
『フフ びっくりしたでしょー?』