小説『君が死んだ日【完】1000hit達成!!』
作者:ハル()

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―――――――――ザアアァァァア

雨が降り出した。
あたしの中にも雨が降り出した。大雨だ。


『昨日自殺したって』

告げられた言葉が頭を離れない。


゛事実は小説より奇なり゛

国語の教師が黒板に書いた字。
嗚呼、そのとおりだよ。
事実なんて奇妙な事ばかりだよ。
人が作った物語は、大体話の最後が予測できてしまう。
でも、事実たちはありえない方向へ進んでいって考えもつかない最後にゆきつく。

―――事実は実に奇妙なりけり

黒板に、事実は小説より…の下にうすく咲、自殺なんたらと見える。

あのあと、誰かが先生が来る前に消したのだ。
あの落書きを。
そしてすぐさま担任は現れ、力の抜けた声で彼女の死を語った。

…咲は、本当に自殺したんだ。
もう、会えない。
嗚呼、事実だったんだ…

苦しくてたまらない
君が死んだという事実を知ってから、まだ一時間もたってない
一時間前は、咲…、君が生きてると思って信じていたのにあっけなくその考えや思いは崩れ去った。
嗚呼、後悔先に立たず…

咲、君は今どこにいるの?元気ですか?


君が昨日死んだ……

-4-
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