―――君が死んだなんて知りたくなかったよ…
朝、担任に告げられて君が死んだことがようやく信じられた。
昨日、咲は自宅のマンションの屋上から飛び降り自殺をし、意識をなくして死んだ。
咲が残した遺書には「生きていることに疲れたので死にます」と一行記されていたという。
担任から話を聞いて一気に後悔がつのる。
後悔がジェンガノようにつみあがり、バランスを崩してあたしに後悔の雨が打ちつけられる。
あの日あの時、君を、咲を助け出していたら、力を貸してあげていたら、咲が死ぬことはなかったんじゃないだろうか。
だって咲が自殺してしまったのはあたしたち、クラス全員のせいだ。
みんな咲を責めていた。
みんな咲に優しい言葉を投げかける事もなく、助ける事もなく、見てみぬ振りをした。
あたしもその一人だった。
あたしは無力だった。
少しでも触れていたら、言葉をかけていたら咲は死ななかったかもしれないのに…
後悔の雨がどんどん増えてゆく。
もう、後悔以外の感情は出そうにない。
あたし、どうにかなりそうだ。
甘言だ。
甘えだ。
咲のほうが追い詰められてどうにかなってしまったのに。
あたしら、クラスみんな、最低だ。
みんな、最低な人間だった。
いや、人じゃない。
悪魔だ。
鬼だ。
卑怯者だ。
ごめん、咲。
あたし最低だったでしょ。
ごめん、ごめん、ごめんな…さい……