小説『君が死んだ日【完】1000hit達成!!』
作者:ハル()

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――――姉に…彼氏だと……!?



「私に夫がいなかったら横取りしちゃうわぁ」


少し本気に見えるのは気のせいだろうか。

というか、ニコニコそう言われてもどう返せばいいんだ!


それを佐藤さんに堂々と言えるわけもないのであたしは、


「その人そんなにかっこいいんですかぁ?」


少し考えて出た返事をへらへら笑って聞いた。



「そう。でもあの子はカッコイイっていうより可愛いってほうが勝ってるわねぇ。もうね、雨に濡れた子犬みたいなのよその面といったら」


「へぇ…。可愛い感じの人ですね」

つ、、面ですか、なんてアバウトな言い方なんだ…。
この時ばかり佐藤さんが怖い人にみえた。
佐藤氏恐ろしい……。
どうしよう佐藤氏に話しかける勇気が出ない。ふんばってもでないだろう。




「フンフンフ〜ン♪」

佐藤氏の鼻歌が聞こえる。さっきまでアバウトだった人が頬を染めて調子良さげにそれって違和感ありまくりなんだが…。つか、切り替え早っ!!
何この人。


…少し歩いていると廊下の窓から雨の音が聞こえた。来た時より強くなってる。

「雨、だ」

「そうねぇ」

「…姉は何でか知りませんけど雨が好きなんですよね」

「そういえばお姉さん雨が降ると嬉しそうだわ。口角がいつもよりニンッって上がってる」


ニコッ

『雨だぁ』


姉ちゃんのそんな様子が浮かんだ。

今日もこんな感じだろうか。



杉月という名札が目に付く。
姉のいる部屋だ。

佐藤さんは医者と思われるおじさんに呼ばれて連れて行かれた。
さらば佐藤氏。



さて、姉に会うか。




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