小説『君が死んだ日【完】1000hit達成!!』
作者:ハル()

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「香奈一緒に帰ろ〜」

「うん」

雨降る帰り道を徐々に進んでいく。
友達と他愛のない話をしながら。

いつもと変わらない日常の世界だけど、あたしの頭の中は咲のことで頭がいっぱいでいつもどうりでなかった。
当たり前だけど。






少し時間がたった。

友達が何か言った。
雨音が邪魔で上手く聞こえない。

「何?」

「この雨でさ、」

「うん」





「寺田の血流れるね」





…驚愕だった

この子何言ってるの?

「‥うん。そうだね…」

本当、あたし嫌な奴だ。

相手がひどいこと言ってるのわかってるのに怒ったり、注意したりもしないで…

ただ、うなずいて

…最低

だめだ、あたし

クラスの皆も似たようなこと言ってた。

「寺田が死んでくれて嬉しい」

なんて言ってる奴もいた。


どうかしてる

あたしも…

皆も…



一人になりたい

この子と一緒にいたくない

・・一人でいたい


「ごめん、あたし今日こっちから帰る」

「えーなんでー?」

「・・用事あるんだー、本当ごめんね」


とっさの嘘を用いて一人になれた。

「じゃあねー」
「ばいばーい」


…もう嫌だ

何もかもにさよならしたい

あたしこのままじゃ変な奴になっちゃう


無理

もう無理だ

-6-
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