小説『君が死んだ日【完】1000hit達成!!』
作者:ハル()

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  ―謎の男―


起きたらすでに朝だった。
昨日は夜食抜き。
だから今日は余計に空腹感があった。

テーブルにはトーストとハムエッグが並んでる。
おいしそう。
テレビは天気予報。
家族は皆いつもどおりに朝をすごしてる。
変わらない朝、でもあたしには最後の朝。
だってあたしが明日生きてることはないだろうから。
きっと。
だからこの景色を、家族を目に焼きつける。
明日になったらあたしはこの家で朝を迎えられなくなるから。
全部、最後なんだ。


いそいそと朝ごはんを食べる。
やっぱりおいしい。
お母さんいつもありがとう
もう、でなくちゃ

がたっと椅子から立ち上がりドアの方向へ進む。
バイバイ
皆バイバイ

「今日はずいぶんと早いのね」

お母さんの声が聞こえた。
不意打ちだ。
泣きそう

「…今日は久しぶりに早起きしたんだー!」

わざと明るく言った。
心が痛かった。

「そう、気おつけてね」

お母さん・・

「いってくるね…?」

バイバイお母さん
バイバイ皆

あたしいってくるよ


バイバイ


-7-
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