小説『君が死んだ日【完】1000hit達成!!』
作者:ハル()

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たどり着いた場所は細長いビルだった。グレーがかかったビルとは不釣合に吊るされた看板の文字。

―――…風俗。



「早く入れ」

男に押された形でビルの中に入った。湿っぽい空気が頬にへばりつく。

長めな階段を上ると廊下にでた。男は慣れた様子で廊下を歩き横についているドアをノックする。

コンコンッ

「店長、つれてきましたよ」

男の低い声がでるなりドアが開く。

「はーい。いつもありがとうね〜。…って結構イケメン君だね」

そう言ってニコリと笑う店長という男。女みたいな甘い声だ。背は俺より少し小さい。

「質の悪いものより格段に良いものを選ぶのはあたりまえですよ。この業界なら特に」
そう言って男は口元にニヒルな笑みを浮かべる。

「ふふ、まぁね。次も期待してるから」

店長は首を少し横にかたむけて目を細める。
それを見ると男は外へと階段を下りていった。

店長にドアの中へ案内されて驚いた。
綺麗な大部屋にいくつか部屋が分かれていて広々とした空間。

「じゃあこれからよろしくね、ええっと君の名前は…」

「矢木矢です」

「じゃあ矢木矢君、これからよろしくね」









あの時からもう始まっていたんだ。
リミットが。

-90-
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