第一章 抗うという名の選択肢 〜PRONUNCIATION.〜
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学園周辺にそよ風が吹いた。
少女の髪が風邪でなびきさらさらと揺れている。
今気づいたが、どうやら自分は花壇のすぐそばで倒れていたらしい。
彼女は花壇の花々に身を隠すようにして銃器を構えていたようだったが、突然銃を足元に下げた。
そのまま少女は振り向きもせず言う。
「唐突なんだけど、あなた入団してくれないかしら?」
あまりに突然の勧誘だったので少年はおもわず眉をひそめた。
「え…入団?」
「ここに入るってことはあなた、消されたのよ。」
「は?…よく分からないんだけど…」
「ここはあなたが元いた世界とは全く違う別世界、なのもしなければ殺されるわよ。」
辺りに不穏な空気が流れ始める。
「殺される?誰に…」
「そりゃロボットにでしょうね。」
ロボット?ますます分からなくなってきた。
「じゃぁ、入団ってのはなに?」
「抗う者(アライブ)によ。まぁ、部隊名は最近決まったばかりなんだけど。」
少年は適当に「あぁ、」とか「はぁ、」と呻き、話題を別の方向にそらす。
彼は少女の足元に下げられた狙撃銃に目線を映しながら質問した。
「えーと、それって本物の銃?」
その言葉に聞きなれているのか彼女は小さくため息をする。
「はぁ、ここに来たやつはみんな同じ反応をするわ。いい?すべての変化にすぐ順応すること、そしてあるがままを受け止めるの。」
「んじゃ、受け止めて…どうすればいいんだよ?」
「戦うのよ。」
「誰と?」
「あれよ。」
そういうと彼女は階段よりさらに下、グランドを指さした。
少年は立ち上がると少女に近づいていき、ぢゃっかん前かがみになって少女の指さす方に目を移動させる。
その方向には黒髪ロングヘヤ―の少女が立っていた。
グランドの中間値に立たづむ謎の少女を指差した彼女はつまらなそうに言う。
「あれが我々抗う者(アライブ)の敵、」
そして一回区切って息を大きく吸った少女は、薄く微笑むとそのまま口を開く。
「アンドロイドよ。」
De-tao-ba-araibu2 end