小説『ハイスクールD×D ~古代龍の覚醒~ 』
作者:波瀬 青()

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第4章 悪魔の世界は複雑です

どうも、古城英志です。現在はチラシ配りの真っ最中です。
最近この仕事にも慣れてきて後少しで契約の仕事ができるようになります。
やったな俺!

張り切って今日のノルマをこなし部室に帰る。

「戻りました〜」

部室には部長と姫島先輩が居た。どうやら他のメンバーは帰ったようだ。

「お疲れさまエージ。今日はもう仕事は無いから帰っていいわよ」

部長は何かの書類に目を通しながら返事をくれた。

「でしたらエージ君、帰る前に今淹れた紅茶はいかがですか?」
「あ、はい。頂きます姫島先輩」

俺はソファに腰掛け、姫島先輩が用意してくれたお茶を飲んだ。
相変わらず美味しい。

「はぁ……美味しいです」
「うふふ、そう言って貰えると嬉しいですわ」
「疲れも吹き飛びますよ!」

俺は姫島先輩の紅茶を味わいながら、部長に聞きたい事があったのを思い出した。

「部長、その……俺ってまだチラシ配りの仕事ですか?」
「そうね……確かにイッセーに比べて長い間チラシ配りをしてもらったわね。
じゃあそろそろエージ君にも契約を取りに行ってもらおうかしら?」
「本当ですか!?」
「ええ、貴方にも後輩が出来た事だしね」
「ヒャッホー!!」

嬉しさのあまり奇声をあげる俺を苦笑しながら二大お姉様が見ていた。

「早速、明日から契約の仕事をお願いするから今日はもう帰って休みなさい」
「ありがとうございます部長!」

俺は立ち上がり全力で部長にお辞儀をした。

「それじゃお先に失礼します、ありがとうございました!」

そのままスキップしそうな勢いで俺は部室を出た。








○駒王学園

翌日、俺の教室では男共の醜い争いが繰り広げられていた。

「チクショー!何故イッセーがアーシアちゃんみたいに可愛い子と登校してんだよ」
「死ね!死んでしまえ!!」

松田と元浜だ。イッセーは今、二人にボコボコにされている。
それを眺めているアーシアさんはどうしたらいいのか分からず、オロオロしている。

「よくやるよ……松田、元浜それぐらいにしとけ。アーシアさんが困ってるだろ」

それを聞いて二人は手を止めイッセーを解放した。ボロボロだな。

「おい、生きてるかイッセー」
「……なんとか………」

呻きながら顔をあげたイッセーは松田と元浜に怒鳴った。

「松田!元浜!何すんだよ!!」
「お前が俺達の敵だからだ!」
「まさかイッセー……貴様が俺達『ピュアハートエンジェルボーイズ』を裏切るとはな」

『ピュアハートエンジェルボーイズ』とはこいつらが言ってるだけの欲望に忠実な男子の意味だ。
つまり童貞である。

「誰が『ピュアハートエンジェルボーイズ』だっ!」
「ではお前は『腐れ外道バッドボーイ』だ!」
「何だよそれ……」
「黙らっしゃい!一人だけ抜け駆けしやがって!」

再び松田達に詰め寄られ、イッセーは一歩後ずさった。

「う……ま、待て!ならエージもそうだ!エージには可愛い幼馴染みがいて毎日、御飯を作って貰ってるんだぞ!
しかも家に親は居ない!二人きりだ!」

あ、あの野郎!俺を売りやがった!
松田と元浜はクルリと方向を変え、俺に近付いてくる。その目には光が宿っていない。

「ちょ、やめギャーーーーー!!!!!!」

俺は松田と元浜に公開処刑されそうになった。



放課後、イッセーとアーシアさんと一緒に部室に向かう。

「イッセー……てめぇよくもやってくれたな……」
「あ、あの場合はしょうがなかったんだって!ほら!今度エージが見たがってた
DVD貸してやるからさ!」
「……限定版か?」
「もちろんだ」
「分かった。なら許してやる」
「流石エージ!」
「?なんのDVDですか?」
「「アーシア(さん)は知らなくていいよ」」

イッセーから借りるDVDといえば年齢制限がつくものに決まっている。
しばらくあっち方面には困りそうにないな。

部室に到着して俺達はやることもないのでソファに座り話していた。
じきに夜になり、悪魔の仕事が始まった。
今日は俺にとって特別な一日だ。

「エージ!依頼がきたから貴方にお願いするわ」
「はい!任せてください!」

俺はゆっくり床に描かれた魔方陣の中心に移動した。

「それでは、依頼主の所へ転移してもらいます。準備はいいですか?」
「……はい、お願いします!」

姫島先輩が魔方陣の外へ出ると、魔方陣が青く光だした。
き、緊張してきた。瞬間、魔方陣の光が強くなり俺は光に包まれた。

カッ!

これが転移か……なんか変な感覚だな……どうやら転移はうまくいったようだ。
どこかの路上に召喚されたようで、回りには民家が建ち並んでいる。
正面を見据えると

「よお!エージ、呼び出して悪いな」

浴衣を着たイケメン、アザゼルさんがいた。

「ア、アザゼルさん!なんでここに居るんですか!?俺は依頼主に契約を取りに
呼ばれたんですけど!?」
「だから俺がお前を呼んだんだって」
「堕天使の総督が悪魔を呼んでどうする!?」

アザゼルさんは鬱陶しそうに頭を掻き、

「あーもう、五月蝿い奴だな。いいじゃねぇか別に呼んでも。
取り敢えず、手伝ってくれよ」

最悪だ……初めての契約相手が堕天使の総督だなんて………

「はぁ、分かりましたよ……なにすりゃいいんすか?」
「この荷物を部屋に運んで欲しい」

すぐそばに置かれていた段ボールの山をバンバン叩きながらアザゼルさんは言った。

「段ボール?引っ越しでもするんですか?」
「ああ、この家にな」

アザゼルさんは正面の家を指差しながら言った。

「へ〜そうですか………って俺の家じゃねぇか!!」

アザゼルさんが指差しているのは間違いなく俺の家だ。

「いやー、ちょっとシェムハザが五月蝿くて飛び出てき………ゴホンッ!
同じ家に居た方が研究がはかどると思ってな」

嘘だ!前半なんか言ってるぞ!?

「無茶言わないでくださいよ!俺の親たまに帰ってくるんですよ!?」
「大丈夫だ。俺の部屋には人払いの結界をはるし、お前以外の人間の前じゃ透明になるから」
「全然大丈夫じゃねぇ!てか透明ってなんだよ!なんでもありか堕天使!」

ブンッ

アザゼルさんは懐から金色の槍を取りだし俺に向けた。

「いいから手伝え」
「………やればいいんだろ!やれば!」

俺は大人しくアザゼルさんの引っ越しの手伝いをした。
もうどうにでもなれ!


しかし、この時、俺は忘れていた。この家を支配している者の存在を……



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