小説『ハイスクールD×D ~古代龍の覚醒~ 』
作者:波瀬 青()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

オッス!おら、エージ!いっちょやってみっか!!
…………すいません、古城英志です。いっちょ殺られてます。


現在午前6時の古城家で、俺は幼馴染みに日本刀を突き付けられています。
これもあの馬鹿堕天使のせいだ。

〜5時間前〜

親が滅多に帰ってこない我が家は、部屋が沢山余っていた。
アザゼルさんの希望で、アザゼルさんの部屋は俺の部屋の隣に決定した。
俺の部屋は二階にあるので、階段がある分、荷物運びは一段と辛くなる。

俺はアザゼルさんの急な引っ越しの手伝いをすることになり大量の荷物を運んでいた。
にしても重い……何が入ってるんだ?研究の機材だろうか?

「流石に若いのはヤル気があっていいねぇ〜この調子で全部頼むぜ」
「ふざけんな!少しはあんたも運べよ!」

アザゼルさんは荷物を運びもせず、俺の部屋を漁っている。

「いいじゃねぇか、堅いこと言うなって。おっ!こんな所にエロ本が!」
「おい!人の物を勝手に見るな!しかもそれ……俺の至高の一冊じゃねぇか!!」

あの変態共(イッセー、松田、元浜)でさえ手に入れていない、俺のお宝が!
梓乃に見つからないように封筒に入れて机の引き出しの一番奥底に安置してたのに!

「ほ〜う……これがお前の好みか?」

もう無視だ……俺は黙々と荷物を部屋に運んだ。
全ての荷物を運び終えてる頃には、もう朝日が昇っていた。
朝陽の光がいつも以上にキツいのは気のせいじゃないだろう。

「お疲れさん。後は俺がやるからお前は寝てろ」
「今から寝たら遅刻するだろうが……」

俺は愚痴をこぼした。重労働で汗かき過ぎたな……

「アザゼルさん、俺シャワー浴びてくるんで何もしないでくださいよ」
「安心しろ。野郎の裸には興味ないから」
「違う!家を勝手にうろつくなって事だよ!」
「ハイハイ、分かってますよ」

まったく……よくあんなんで堕天使の総督なんて勤まるな。
俺は自分の部屋のタンスから制服の予備を取りだし、風呂に向かった。

はぁ〜徹夜明けは辛いんだけどなぁ。部長にも契約完了の報告しないといけないし…アザゼルさんの事は伏せなきゃいけないけど………
本当に悪魔って大変だな。

シャワーを浴びて制服に着替えた俺は階段を登り、アザゼルさん
の様子を見に行った。

「………………何ですかこれ?」

部屋の扉を開けた先は先程迄の段ボールは無く、
テレビにパソコン、エアコン、冷蔵庫が置いてあった。
床には高級そうな絨毯が敷いてあり、ソファまである………

「荷物の整理をな、お前がいない間に終わらせといた」
「すごいっすね……」

腐っても堕天使か……
その堕天使の総督は今パソコンにむかって厭らしい顔をしている。

「なにやってるんすか……?」
「フッ……紳士のたしたみさ……」

そう言って俺に画面を見せてくれた。エロゲーだった。

「アザゼルさん……あんたは最高だ……」
「俺からすれば、こんな素晴らしい物を造り出した人類に脱帽だぜ」

今、アザゼルさんとの絆が深まったような気がした。

「エージ!これなんかどうだ?」
「これはっ!幻とまで謳われたあの!?どこまでもついていきます総督!!」

二人してパソコンの前で盛り上がっていた。そのせいで俺達は背後からの
気配に気付かなかった。

「ねぇ、何やってるの?」
「見りゃ分かるだろ!エロゲーだよ、エロゲー!」
「ふーん、でその人は誰かな?」
「お前!我等が総督を知らないのか!?
なら教えてやる!このお方の名……は……………」

アザゼルさんの名を言おうと振り返った先には能面のような笑顔をした幼馴染み、鬼山梓乃がいた。

「名は?何かな英志君?」
「し、梓乃………さん。今日は早いですね……」
「いつもこの時間に来てるよ?二階が騒がしいから来てみたら、変なおじさんと
しゃべってるし……この部屋は何かな?」

どこからか日本刀を取り出した梓乃は、切っ先を俺に向けた。

〜回想終了〜

ついでに俺の人生も終了しそう………

「なんだエージ……お前はそんなプレイが好きなのか?アブノーマルな奴だぜ」

アザゼルさんは俺の一瞥して言った。

「す、少しは助けてくださいよ!」
「無理、今いいとこだから。ウヒョー!」

梓乃はそんなアザゼルさんに近づきパソコンを一刀両断した。

「な、なんてことを!俺の努力の結晶が!!」
「なんで堕天使が英志の家にいるのかな?」

なんで分かるんだよコイツ……

「おいこら……そこのまな板娘!どうしてくれnゴフッ!」

まな板は、まな板は駄目だよアザゼルさん……梓乃は確かに胸が皆無だけど、まな板は駄目でしょ。

「グフッ」

日本刀を持っていない左手で
俺にはボディブロー、アザゼルさんはストレートで殴り飛ばされた……容赦ねぇ。

「分かった。俺が悪るかったから、積みゲーを破壊しようとしないでくれ」

おもむろにゲームの山を砕こうとしていた梓乃をアザゼルさんは土下座して止めた。
こんな理由で土下座していいのか総督?

観念した俺とアザゼルさんは梓乃に事情を説明した。

「なるほどね。大体のことは分かったよ。英志に協力してくれるなら文句はないよ」

ふぅ……なんとか納得してくれたようだ。

「でも、私の英志に何かしたら…私はお前を許さない。忘れないでね?」

それを聞いたアザゼルさんはビクッと震えていた。コイツといたらこんなのばっかですよ……

-14-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ハイスクールD×D 13 イッセーSOS (富士見ファンタジア文庫)
新品 \630
中古 \339
(参考価格:\630)