小説『ハイスクールD×D ~古代龍の覚醒~ 』
作者:波瀬 青()

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第5章 悪魔のゲーム

どうもエージこと古城英志です。おのトサカ野郎が部室に現れた日の夜。
俺はその事をアザゼルさんに話していた。

「ふ〜ん…要するにそのフェニックスの坊主とお前の主が戦って
結婚するかしないか決めるんだろ?単純でいいじゃねぇか」
「それが問題なんですよ。あっちは眷属がフルメンバーだし、
多分全員俺より強いんです」

イッセーだって相手の『兵士(ポーン)』に一撃でやられたって言ってたし。

「まぁ、悪魔になったばかりのお前らじゃ勝てないのは分かってるだろ。
ならどうすればいいか分かるか?」

アザゼルさんの目は真剣だ。俺も姿勢を直し答える。
そんなのは分かりきっていた。

「セイクリッド・ギアの制御と基礎能力の底上げです。そのために
アザゼルさん、俺を鍛えてください」

俺はアザゼルさんに頭を下げた。暫く黙っていたアザゼルさんは
急に笑いだした。

「強くなる為に堕天使の総督まで利用するんだもんな。ったく強欲な
奴だぜ。それじゃ、今まで以上にキツい訓練をしてやるよ」
「本当ですか!?」
「ああ、だが死んでも文句言うなよ」
「俺は童貞卒業するまで死にませんよ!」

よし、早速修行を始めてもらおう!

「アザゼルさん、早速修行してください!」
「落ち着け、どうやら客人が来たようだ」

アザゼルさんが言った次の瞬間、床に見慣れた魔方陣が浮かび上がった。

「これは、グレモリーの!」

ヤバい!眷族の誰かが転移してくるのか!?
一際強い光が広がり、目の前には我等が部長の姿があった。

「ぶ、部長?どうしたんですか?」

俺はアザゼルさんが見つかるんじゃないかと内心焦っている。
てかあの人居ないぞ!?姿を消してくれたのはありがたい。

「深夜に悪いわね、いきなりだけど宿泊の準備をしてちょうだい」
「宿泊?」
「合宿よ、眷族全体のパワーアップのためのね」



○翌日

俺はリュックサックを背負い山道を登っていた。

「ゼェ、ゼェ」

暑い。尋常じゃない汗が俺の身体から
際限無く噴き出してくる。

なぜこんな状況に置かれているのかというと、
昨日の夜、俺の家に訪れた部長から合宿の要項を伝えられ
荷物を持ってオカ研の部室に集合、そのまま山の麓まで転移してきた。

「英志、ファイトだよファイト!」

しかも何故か梓乃まで居る。梓乃は部室に呼ばれたらしいのだ。
こんな爆弾みたいな女を招き入れちゃ駄目ですよ部長……

「ファイトってなぁ……お前の荷物も持ってんだぞ?」

自分の荷物+梓乃の荷物だ。
イッセーは自分の荷物+部長の荷物+姫島先輩の荷物。
俺より大変だろう。

「……エージは荷物が少ないわね。小猫、エージが荷物を持ってくれる
みたいよ」

えっ部長?俺そんな事言ってないっス!

「……ありがとうございますエージ先輩」

俺は問答無用で搭城さんの荷物を背負わされた。
搭城さんって怪力が自慢じゃなかったっけ?

俺は道中なんども死を覚悟し、なんとか目的地の別荘へ辿り着いた。
すげぇ豪華な別荘だな……
俺たち男子組三人はリビングに荷物を置いた。女子組は二階で着替えている。

「し、死ぬかと思った」
「俺も目の前に花畑が開けた気がしたぜ……」

俺とイッセーは疲労で床に座り込んだ。

「僕も着替えてくるよ」

自分の着替えを持って浴室に向かう木場。

「覗かないでね」

冗談ぽく言う木場に

「「ぶっ殺すぞ!」」

俺とイッセーは息ピッタリで怒鳴った。
俺はいたってノーマルだ!BLなわけないだろ!
その後少し休憩した俺たちも着替えに隣の部屋へ。
リビングに戻るとオカ研メンバー+1人が揃っていた。

「それじゃ、早速はじめるわよ」





part1 塔城さんと組手

俺は塔城さんと素手での組手をしていた。
塔城さんは手加減してくれるらしいが、今の俺より力があるのは明白だ。
俺は開始から五分ずっと回避行動をとっていた。

「……避けるのはうまいですね」

塔城さんが俺を睨む。うぅ、情けない先輩を許して下さい。

「………部室でのパンチは見事だったんですが……あれはマグレですか?」

部室……カーラマインの時か

「エージ先輩は格闘技の才能があると思います……」
「えっ?ホント?照れるなぁ」

その一瞬の隙を見逃す塔城さんじゃなかった。俺のボディに綺麗に塔城さんの拳が突き込まれる。

ドゴッ!

吹き飛び木に激突する俺。

「………塔城さん……君は悪魔かい?」
「……悪魔ですが?……油断する先輩が悪いんです」

俺は立ち上がり、相手に突撃する。その勢いで右ストレート!

ガッ!

交差した腕で防がれてしまった。そんなに甘くないよな。

「打撃は相手の中心線を狙って抉り込むように撃つんです……こんな風に」

ベキッ!

今度は顔面にパンチをもらってしまった。いってぇ……

「さっきも言いましたが、エージ先輩には格闘技の才能があると思います……
なので私と組み手を重点的に行ってもらいます」

ガンガンする頭を押さえ塔城さんに質問する。

「それは嬉しいけど……塔城さんは俺みたいに弱い奴の相手してていいの?」

俺が相手じゃ塔城さんの練習にならないんじゃないか?

「……私は自分の動きに無駄がないか確認したいので大丈夫です」
「それじゃお言葉に甘えて……お願いするよ塔城さん」

俺はそのあと塔城さんに15回ふっ飛ばされた。





part2 姫島先輩の魔力講座

ついで俺は姫島先輩から魔力の使い方を教えてもらうことになった。

「魔力は身体を覆うオーラから流れるように集めるのです。意識を集中させて、魔力の波動を感じるの」

えっと……これはアザゼルさんとの訓練でも経験したので、なんなくクリアすることができた。
俺の手のひらの上には蒼白いサッカーボールくらいの大きさの魔力の塊ができていた。

「上出来ですわ。ではその魔力で水や炎を操ってみましょう。イメージから創造するのはまだ難しいので
実物を使っていきましょう」

姫島さんは水の入ったペットボトルを手に取り、水を操って内部からペットボトルを突き破った。
すげぇ……

俺は姫島先輩の指導のもと一時間これの練習をしたが成功しなかった。




part3 木場&梓乃の刀剣の扱い方

今、俺の目の前で木場と梓乃が斬り合いを始めている。
剣術が全然できない俺にたいして二人は、見た方が早いと言う話になり俺を置いて試合を始めてしまった。

「日本刀を使う敵とは滅多に戦えないからね!嬉しいよ!」
「容赦ないなぁ…女の子なんだから手加減してよ」

まぁ、これは木場の訓練になるしいいのかもしれない。
さっき一回戦ったけど、イッセーより動きが悪いって言われたしな。
どうも武器は苦手だ………

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